「資格を取ろうと思ったら、Webライターに資格はいらないから勉強するだけ無駄だと言われた」と、Webライターが資格を取得することに対してネガティブな意見を見ることがあります。
Webライティングの仕事をするのに、資格は必要ありません。しかし私個人の意見としては、経歴・実績に自信がない方こそ資格勉強によるスキル・知識量アップで執筆幅を広げることで、Webライターとしてのキャリアップにつながると考えています。
資格取得に対して明確な目標がある、Webライターとして働く上で資格の重要性を感じたなど、あなた自身が資格を必要と感じたときは、ぜひチャレンジしてみることをおすすめします。
高卒の筆者自身も、取得した資格が新しい案件につながったことが多々ありました。また、記事を執筆する上で資格の勉強で得た知識が役に立ったことも少なくありません。
本記事では、Webライターが資格を取得するメリット、現役Webライターが取得をおすすめする資格、資格を取得する上での注意点などを解説します。
Contents
【実体験付き】Webライターが資格を取得する6つのメリットとは?
Webライターを始めるだけなら、資格は必要ありません。国家資格・公的資格がなくても、Webライターを始めとする執筆業・編集業に従事する方は大勢おられます。しかし実績が少ない、専門性の高い記事に携わりたい、執筆記事の幅を広げたいWebライターの方は、資格を取得することにさまざまなメリットがあります。
Webライターが資格を取得する6つのメリットは次のとおりです。
- 専門性・権威性によるライティングの差別化が図れる
- クライアントへのアピールや資格取得者限定の案件への応募ができる
- 監修者の仕事も取りやすくなる
- 資格の勉強自体が文章力能力向上につながる
- ライティング特化の資格なら相手に伝える力が身に付く
- Webライティング以外の仕事にも役に立つ可能性がある
資格取得のメリットについては、あくまで私の意見・経験と周囲のWebライターの方を見た上での推測です。中には「Webライターの仕事をするのに、資格取得は遠回り」という意見も存在します。
私の場合は資格のおかげでWebライターのお仕事をいただくことが圧倒的に増えたので、取得をおすすめしています。
1.専門性・権威性によるライティングの差別化が図れる
執筆分野の資格を取得しておくと、読者やGoogleに対して執筆記事の専門性・権威性を伝えやすくなり、他のWebライターの方が書く記事との差別化が図りやすくなります。
資格取得者の執筆記事は、読者にとって「専門家が書いているから、信頼できそうな記事」と判断されやすく、Googleにとっても「専門性・権威性・信頼性・経験(E-E-A-T)の観点から、順位を上げるにふさわしい記事」だと判断されやすくなります。読者の完読、検索順位上昇のいずれにもプラスになりやすいのです。
また、Webライターが自分でブログを書くときにコンテンツの信憑性が上がる点も、資格を取得するメリットです。自分のブログのSEO評価を上げれば、ブログ経由で仕事を得られる可能性も上がります。
私は実際に「冷凍機械責任者一種」というマイナーな資格を持っていたことで、Webメディア以外での媒体での執筆依頼がブログ経由で請けたことがあります。
2.クライアントへのアピールや資格取得者限定の案件への応募ができる
特定の資格を持つWebライターは、資格取得者限定の高単価案件に応募しやすくなります。「E-E-A-Tに対応できるコンテンツを作りたい」「専門家ならではの内容が深い記事を書いてほしい」といった、専門性を求めるクライアントのニーズと合致するからです。
資格を取得していれば、クライアントへ「自分は執筆分野の知識がある」「執筆分野の専門家である」と客観的にアピールできます。これまでの経験上、ライティング案件の募集でも「〇〇資格を持っている方を優遇」「〇〇免許取得者限定」との募集を見ることが多く、特定の資格の有無によって携われる案件に差が出てくるなと感じました。
実際に私が見かけた資格取得者限定・優遇の案件は次のとおりです。
- 宅地建物取引士(宅建)取得者優遇・限定の不動産系の記事依頼
- FP2級以上取得者優遇の金融・保険系記事の執筆や監修依頼
- 食品アドバイザーや管理栄養士、栄養士持ちの食事関係の執筆依頼
- 士業取得者限定の執筆・監修依頼
- 看護師、医師などの医療資格者限定のコンテンツ制作依頼
IT系や製造系などの案件は実務経験が優遇される一方で、実務と資格が結びついている分野は資格取得者を求めているクライアントが多い印象です。
私もFP2級を取得してから、FP取得者限定・優遇の案件を紹介していただける機会が増えました。そこから金融・保険分野のライティング経験を積むことができ、ライターとしてさらにレベルアップできたと思っています。
3.監修者の仕事も取りやすくなる
権威ある資格を取得していると、執筆以外にも記事の監修を依頼されることがあります。
Webメディアは有資格者や有識者にコンテンツを監修してもらうことで、コンテンツの正確性・専門性・権威性を読者に担保できます。Webページを読んでいると、以下のような「誰がこの記事を書いたのか、監修したのか」がわかる記述を見たことがあるのではないでしょうか。
監修の有無と監修者情報の記載は、Googleの検索順位にも影響を及ぼすと言われているため、2024年以降も監修者案件が増えると予想されます。
このように対応する資格を取得していれば、Webライター以外の仕事とも出会いやすくなります。執筆+監修ができるWebライターなら、専門的な人材としてクライアントから重宝されるでしょう。
4.資格の勉強自体が文章力能力向上につながる
仮に資格試験に合格できなくても、資格の勉強をすること自体が文章力向上につながります。資格の勉強に伴う文章力向上の理由は次のとおりです。
- 勉強する分野の語彙力が増えることで表現力・説明力が上がる
- インプットの量が増える分、専門知識と自分の知見を合わせたオリジナリティが高い記事を書ける
- 執筆分野の知識が増えるので、さらに難しい専門書が読みやすくなり情報収集の幅が広がる
語彙力・表現力が重要になるライター業において、専門分野で使われる言葉や理論をたくさん知ることが、Webライターにとって無意味だと私は思いません。能動的に資格学習に取り組むことで、ライティングは上達します。
また資格勉強を通じて勉強のやり方・学習する習慣が身に付けば、Webライターの仕事以外の場面でも活かせるはずです。
5.ライティング特化の資格なら相手に伝える力が身に付く
資格の中には、「Webライティング技能検定」や「Webライティング能力検定」といった、ライティング特化の資格が存在します。ライティング特化の資格なら、文章の基本や伝える技術を論理的かつ体系的に学ぶことが可能です。
文章に関して完全未経験の方(論文などを書いたことがない、仕事で文章を書く・チェックする機会がないなど)は自己流ライティングが多く、クライアントワークにおいて修正対象や書類審査落ちになることも珍しくありません。
私も高卒・元工場勤務であるため、文章をまったく書かない環境が存在することを承知しています。進学校や大学に進んだ方はピンとこないかもしれませんが、「このくらいの文章なら書いたことがあるだろう」「中学文法くらいなら常識問題」という、一定の文章レベルにまだ達していないケースも存在するのです。
もしこれまでの人生で一度も文章について学んだことがない方は、1~2つライティング特化の資格取得を目指すのも1つの選択肢です。数十万円レベルのスクールよりも安上がりで済み、なおかつ自分のペースで学べます。
6.Webライティング以外の仕事にも役に立つ可能性がある
資格を取得するメリットは、Webライティングにかかわる分野以外での仕事でも役に立つ可能性がある点です。例えば日商簿記検定を取れば帳簿の記帳代行やその他経理業務、FPならライフプラン相談や保険関係の営業などが挙げられます。
私が知っている範囲だと、WebライターからFP業に転換した方、日商簿記検定を活かして経理やその他事務の仕事に転職した方がおられました。また、校正技能検定を取得して校正者の道を歩む方もいらっしゃいます。
Webライターの仕事で培った文章力・経理能力・タイピング力・その他パソコン関係の知識を資格にプラスして活かせれば、Webライター以外の仕事を始めたいときにも強いアピールポイントになるでしょう。
「他の業界でキャリアを積んで、今度は実務経験も積んだ専門ライターとして活躍する」というキャリアプランも考えられます。
Webライターにおすすめの資格7選!スキルアップや案件獲得を有利に
ここからは現役Webライターである私が活動している上で、取得しておくと案件獲得や執筆時に有利になるだろうと感じたおすすめの資格を紹介します。選出基準は「受検資格がなく、誰でも受検できること」「採用において実際に資格取得者優遇・限定されているのを見た」などです
今回紹介するおすすめの資格は、次の7つです。
- FP(ファイナンシャルプランナー)資格
- 宅地建物取引士(宅建)
- 日商簿記検定
- ビジネス著作権検定
- 日本化粧検定
- 薬機法管理者資格
- 校正技能検定
なお、受検資格のハードルや合格難易度が非常に高い、またはその資格自体が独立開業できる資格は省いています。
1.FP(ファイナンシャルプランナー)資格(2級以上が理想)
出典:日本FP協会「ファイナンシャル・プランナー(FP)とは」
FP(ファイナンシャルプランナー)は、正式名「ファイナンシャル・プランニング技能士」と呼ばれる国家資格です。家計や税金など、お金のことに関する知識を証明できます。
WebライターがFPを取得するメリットは、金融・保険などお金に関する執筆に役に立つことです。FP資格を勉強すると、Webライティングにおいても需要が高い以下の6分野の知識を得られます。
- ライフプラン(年金、社会保険、家計管理など)
- 保険(保険の仕組みや保障内容など)
- 資産運用(金融の基礎、株式・債券・投資信託などの金融商品など)
- 税金(所得税などに関する税制や各種控除など)
- 不動産(不動産の基礎や住宅ローンなど)
- 相続(相続税、遺族・遺産関係、事業承継など)
とくにFP2級レベルの知識があれば、上記分野の案件を紹介される可能性が上がります。また、記事を執筆するときも勉強した内容を活かしやすくなるでしょう。
私も実際に取得しましたが、FP2級のおかげでめちゃくちゃ仕事を請けられる幅や紹介される機会が増えました。現在も、不動産関係や税金関係などの案件を請けるきっかけになっています。仕事の機会が増えれば、執筆しながらインプット・アウトプットも進み、補助金や離婚(法律論や相続、税金関係など)などのジャンルの執筆にも発展した経験があります。
Webライターにおすすめしたい資格ナンバー1と言っても、過言ではないかもしれません。
詳細な実体験については、以下の関連記事にまとめています。
ただし、FP2級以下は比較的「浅く広く」という知識レベルに留まります。各分野のより専門的な記事に携わりたいときは、継続して学習を続けたり、さらなる専門資格を取得したりなどの対応が必要になります。
とはいえ、これから金融ライターを目指す方の登竜門としておすすめの資格です。2級レベルでも合格率は約50~60%(3級なら70~80%)と比較的高く、しっかりと時間をかけて対策すれば合格を目指せます。
さらにFPの知識を深めたいときは、AFP、CFP、FP1級といった上位資格に挑戦するのもよいでしょう。
FP試験を担当するのは、「日本FP協会」と「金融財政事情研究会(きんざい)」の2団体です。どちらも試験日・受検料は同じかつ、取得できるFP資格の効力に違いはありません。実技試験の内容が少し異なります。試験は毎年1月・5月・9月の年3回実施されています。2024年以降はCBT形式によって1年中受検できるようになる予定です。
受検費用 | ・3級:8,000円(どちらか一方だけの場合は4,000円) ・2級:11,700円(学科5,700円、実技6,000円) ・1級:学科8,900円、実技FP協会20,000円・きんざい25,000円 |
試験日程 | ・1月、5月、9月 ・CBT方式なら原則年中 |
試験方式 | マークシート方式、記述式 |
公式ホームページ | →日本FP協会の公式ホームページはこちら →金融財政事情研究会の公式ホームページはこちら |
2.宅地建物取引士(宅建)
出典:不動産適性取引推進機構
宅地建物取引士(以下、宅建)とは、不動産の契約にかかわる重要事項の説明など、不動産取引に関する独占業務ができるようになる国家資格です。年間20万人が受検する人気資格でもあります。
宅建に合格するには「宅建業法」「民法などの不動産の権利関係の法令」「不動産の税金」「住宅ローン」「相続関係」など、不動産に関するさまざまな知識を勉強する必要があります。宅建に合格できるレベルなら、不動産分野に強いWebライターとして活躍できる幅が広がるでしょう。
実際に、Indeedといった求人サイトや、クラウドワークスを始めとするクラウドソーシングでは、不動産系のSEO記事の執筆依頼のほとんどに「宅建取得者は優遇」と記載されています。勉強するだけでも不動産に関する知見が広がるので、個人的にもおすすめの資格です(私もいつか取得したい)。
ただし宅建はFP2級と比べても難関資格と言われており、年間合格率が約15~18%と低めです。確実に合格を目指すなら、試験半年前の4月あたりから学習を始めるのがおすすめです。FP2級の不動産分野と試験内容が被るところがあるので、FP2級を取得している方なら学習もやりやすいと思います。
受検費用 | ・受検手数料:8,200円 ・登録実務講習20,000円 ・資格登録手数料37,000円 ・宅地建物取引士証の交付申請手数料4,500円 ・資格の更新手続き16,500円 |
試験日程 | 10月の第3日曜日 |
試験方式 | マークシート方式 |
公式ホームページ | →一般財団法人 不動産適正取引推進機構の公式ホームページはこちら |
3.日商簿記検定
出典:日本商工会議所・各地商工会議所「商工会議所の検定試験」
日商簿記検定(以下、簿記)とは、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する検定試験です。簿記を学習すると、企業の経済活動のおおまかな流れ、経営成績・財務状態の知識、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の作り方などの知識が得られます。
Webライターが日商簿記検定を取得するメリットは次のとおりです。
- 経理・経営系の記事に対応しやすくなる
- 自分の経理作業・確定申告作業を進めるときに、知識を活かせる
- 記帳代行や請求書発行といった、経理系の仕事もWebライター仕事と並行して請けられる
Webライターの仕事だけでなく、経理関係やその他私生活でも応用しやすいのが簿記の特徴です。Webライターの仕事の有無にかかわらず、簿記の取得はおすすめです。簿記の基本知識を得たいなら3級、Webライターの仕事に活かしたいなら2級以上を目指してください。
2024年中に簿記2級を取得する予定なので、取得できればこちらで効果のほどを報告したいなーと思っています。
なお簿記資格には他にも全経簿記・全商簿記がありますが、知識の習得やスキルアップの面で日商簿記が一番よいと思います。
受検費用 | ・3級:3,300円 ・2級:5,500円 ・1級:8,800円 |
試験日程 | ・原則として6月、11月、2月(2月は2級・3級のみ) ・CBT方式なら原則年中 |
試験方式 | 選択方式、記述式(計算あり) |
公式ホームページ | →商工会議所の検定試験公式ホームページはこちら |
4.ビジネス著作権検定
ビジネス著作権検定とは、株式会社サーティファイが認定する民間資格です。国家資格・公的資格ではないものの、Webライターとして働く上で大切な要素となる「著作権」についてしっかりと学べます。
2024年以降はAIを活用したライティングの広がりも予想されることから、なおさらAIの課題でもある著作権のルールの理解は必要です。ビジネス著作権検定を取得すれば、クライアントからの信頼も得やすいと思います。また自分でWebメディアを運営するときにも、ビジネス著作権検定で得た知識を活かせます。
自宅からオンラインで受検できる上に、受検目安時間が上級でも50時間以下、合格率も約60%と比較的取得しやすいのも特徴です。
ビジネス著作権検定の上級を取得していれば、国家資格である知的財産管理技能検定1級・2級の受検資格を得られるのもメリットです(1級はさらに1年以上の実務経験が必要)。知的財産管理技能検定の取得者なら、知的財産に関するライティングにも対応しやすくなるでしょう。
受検費用 | ・初級:5,100円 ・上級:8,000円 |
試験日程 | 原則として6月、11月、2月 |
試験方式 | 選択方式 |
公式ホームページ | →ビジネス著作権検定の公式ホームページはこちら |
5.日本化粧品検定
出典:日本化粧品検定協会
日本化粧検定とは、一般社団法人 日本化粧品検定協会が運営する文部科学省後援の公的資格です。2023年6月末時点で、受検者数はのべ123万人を超える人気資格となりました。受検者の中でもっとも多い年代は、20~30代の女性です。
日本化粧品検定1~3級では、美容における基礎知識(クレンジング、洗顔、化粧水、乳液・クリーム、メイクアップの基本など)、美容皮膚科学、生活習慣美容、化粧品科学、ヘア・ネイルケア、香り、化粧品に関する法律などを学びます。1級レベルあれば十分ですが、最上位資格である特級(コスメコンシェルジュ)を取得できれば、化粧品の専門家ライターとしてより幅広く活動できるでしょう。
一時期はSNS上のWebライターの間でも、かなり人気の資格だった覚えがあります。2024年現在だと、tiktok動画やYouTubeのショート動画などのおすすめ化粧品の台本の執筆などでも、使える資格だと思います。美容関係の執筆をしたいなら、ぜひ取得してはいかがでしょうか。
3級なら、自宅からオンラインでいつでも無料受検できます。クライアントへ具体的にアピールしたいなら、2級以上の取得を目指すのがおすすめです。
また日本化粧検定の運営は、「コスメライター養成講座」を運営しています。薬機法を遵守したコスメ・美容の知識、基本的なライティング能力、SEO、マナーなどを総合的に学べるので、コスメライターとしてキャリアアップしたい方はぜひ一度チェックしてみてください(ベーシックコースでも結構お値段がお高めなので注意してください)。
受検費用 | ・3級:無料 ・2級:8,800円 ・1級:13,200円 ・1・2級併願は19,800円に割引 ・合格証の発行は3,300円 |
試験日程 | 原則として5月、11月 |
試験方式 | マークシート方式 |
公式ホームページ | →日本化粧品検定の公式ホームページはこちらから →コスメライター養成講座についてはこちらから |
6.薬機法管理者資格
出典:薬事法ドットコム「【公式】薬機法管理者・コスメ薬機法管理者(旧・薬事法管理者)」
薬機法管理者資格とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器・再生医療等製品の品質や有効性、安全性確保ならびにこれらの使用によるかかわるさまざまな部分の規制を行った、「薬機法」に精通したことを証明する民間資格です。薬事法ドットコムが運営しています。
Webライターが医薬品・化粧品関係の記事を書く上では、薬機法に基づいた正しい広告表現と正確な情報を意識しなければなりません。薬機法管理者資格は、薬事法ドットコムの講座を受けた上で修了試験・資格試験に合格すれば取得できます。講座料が高額であるものの、薬事法のスペシャリストになるための知識を体系的に学べるメリットがあります。
薬事法管理者資格を取得できれば、薬機法マーケティングに精通したWebライターとして、他のWebライターとの差別化が可能です。
また薬事法ドットコムでは、化粧品・薬用化粧品などに特化した資格ならコスメ薬事法管理者、機能性表示食品に特化した資格なら機能性表示マスター講座、景表法に特化した資格なら景表法検定講座なども実施しています。
薬事法を遵守したライティングは非常に難易度が高いので、対応できるだけでWebライターの仕事に留まらず、セールスライティングや薬事系解説記事・台本の仕事を請けられる機会が広がります。
受検費用 | 89,800円、事務手数料5,000円追加で受講期限の延長 |
試験日程 | 入金確認日より365日(e-ラーニング方式) |
試験方式 | 記述式 |
公式ホームページ | →日本化粧品検定の公式ホームページはこちらから →コスメライター養成講座についてはこちらから |
7.校正技能検定
校正技能検定とは、日本エディタースクールが運営する民間資格です。文章の内容、字句、色彩の誤りなどの不具合を修正する「校正」の技能を認定する唯一の検定試験となっています。
Webライターが校正能力を身に付ければ、クライアントへ納品する記事のクオリティをさらに上げられます。また、Webライティングとは別に校正の仕事も受けやすくなるでしょう。スキルアップ・キャリアアップの両面で、校正技能検定の受講はおすすめです。
中級以上の試験を受けるには、日本エディタースクールの所定のコースを修了し「校正技能検定初級」の認定が必要です。スクーリングまたは通信講座でみっちりと学ぶことから、時間と費用に余裕があり、本気で校正について勉強したい方が受講をご検討ください。通信講座なら、約5万円と他よりもリーズナブルです。
受検費用 | ・中級:8,800円 ・上級:9,900円 ・未経験の方は、日本エディタースクールの所定の校正コースを受講し初級を取得する必要あり |
試験日程 | 公式ホームページをご覧ください |
試験方式 | 記述式 |
公式ホームページ | →日本エディタースクールの公式ホームページはこちらから |
私が取得した文章力向上につながるWebライティング系の資格
Webライターを始めたい方、すでにWebライターを始めている方の中には、「文章そのものを1からきちんと学んだことがないから、体系的に学びたい」と思う方もおられると思います。
Webの文章を1から学習したいときは、Webライティング系の資格の取得を目指すのが1つの手です。ここからは私が実際に取得したWebライティング系の資格である「Webライター検定」と「Webライティング技能士」の2つを紹介します。
【クラウドワークス用】Webライター検定
出典:クラウドワークス「スキル検定」
Webライター検定とは、クラウドワークス公式が実施している「Webライターのスキル」を証明する資格です。Webライティングの基本から応用まで体系的に学べる、Webライターに特化した内容になっています。
資格の効力自体は、クラウドワークス内に限定されます。しかし学べる内容は、クラウドワークスに限らずさまざまなWebライティングの現場で使うことが可能です。Webライター検定は、以下のように1~3級まで設定されています
3級 | Webライティング、クライアントワーク、文法、著作権など基礎の部分を学べる |
2級 | 読者の心を動かすライティングや構成案の作成について学べる |
1級 | マーケテイングを意識した高度なWebライティングと構成案作成について学べる |
筆者は、Webライター検定1~3級をすべて取得しています。Webライティング能力が向上したのはもちろんのこと、クラウドワークスのサービス内でのスカウトが増えるなどのメリットがありました。
初心者Webライターにおすすめは3級の受検です。無料で受講できるにもかかわらず、Webライティングには欠かせない情報を動画付きで学べます。「Webライティングを学ぶなら始めの教材はどうすればよい?」と思ったときは、ぜひWebライター検定3級から利用してみてください。
ただし、クラウドワークスの会員にならないと受講できないので注意しましょう。
受検費用 | ・3級:無料 ・2級:10,000円 ・1級:25,000円 |
受講期限 | 入金確認日より1か月 |
試験方式 | ・3級:選択式 ・1~2級:選択式・記述式 |
Webライティング技能検定(Webライティング技能士)
Webライティング技能検定(Webライティング技能士)とは、一般社団法人 日本クラウドソーシング検定協会が認定する民間資格です。読みやすい文章の書き方、クラウドソーシングでの仕事の進め方、SEOの定義や基本的なライティング方法、ISV練習法のやり方など、Webライターとして働くための基本を体系的に学べます。
2024年現在では、公式テキストだけでなく映像講義や無制限のメール質問への対応、全2回の実践型のプログラムのオンライン実習(スキルアップ実習)、副業オンラインセミナーの受講など、私が利用したときより講座内容が充実しています。
私は駆け出しWebライターだった2018年頃に受検しました。「初心者はここが知りたい!」というかゆいところに手が届く内容がピンポイントでまとまっているので、初心者Webライターの方にはおすすめの講座です。一方ですでにWebライターとして活躍している方にとっては、少し物足りない内容かなーとは思います。
Webライティング技能検定の取得を目指す場合は、「ヒューマンアカデミー」の通信講座「たのまな」の公式サイトより、「WEBライティング講座」へアクセスして申し込みましょう。無料で資料請求もできるので、資料を見てから受検を検討してみてください。
受検費用 | 初回3,560円、2~10回3,300円の合計32,000円 |
受講期限 | 入金確認日より6か月(延長可能) |
試験方式 | 記述式 |
Webライティングやその他執筆業の学習に役立ちそうな資格
私が取得したもの以外にも、Webライティングやその他執筆業の学習に役立ちそうな、ライティング系の資格は数多くあります。ここからは、ライティングや日本語について学べる以下の資格について概要を解説します。
- Webライティング能力検定
- SEO検定
- 日本語検定
- 日本漢字能力検定
- 文章読解・作成能力検定
これらの資格を取得しても、案件獲得に直接寄与することはほとんどありません。しかし、文章力というWebライターの基礎中の基礎能力を磨きたいなら、学習をおすすめできる資格です。もし取得に興味があれば、ぜひチェックしてみてください。
Webライティング能力検定
出典:日本WEBライティング能力協会「Webライティング能力検定」
Webライティング能力検定とは、一般社団法人 日本WEBライティング能力協会が運営する、Webライティングスキルを証明するための民間資格です。Webライティング技能検定と似ていますが、運営団体も試験内容も異なるので注意してください。
Webライティング技能検定と同じく、Webライティングの基本についてみっちり学べます。Webライティング技能検定と比較すると、より広い内容を学習するイメージです。具体的には、国語、Webライティング、コピーライティング、メールライティング、SEO、倫理・法律、炎上対策、ミニ論文の学習を行います。試験の点数に応じて、1~3級の認定を受けられます。
- 1級:80~88点
- 2級:70~79点
- 3級:53~69点
- 資格なし:52点以下
送られてくる公式テキストまたはYou Tube動画講座セットにて学習を進めましょう。
受検費用 | ・13,500円、紹介者割引なら13,000円 ・中高生、大学、短大生は6,750円 ・You Tube動画講座セット:19,800円、学生は9,900円 ・2回目以降の受検は3,000円引き |
受検日程 | 公式サイトより都度ご確認ください |
試験方式 | 選択式、記述式 |
SEO検定
出典:全日本SEO協会
SEO検定とは、一般社団法人 全日本SEO協会が運営する民間資格です。資格の中でも珍しいSEOに特化した資格となっています。SEOの基礎知識を学べる4級、キーワードリサーチや内部要因最適化を学べる3級、コンテンツSEOと外部要因最適化を学べる2級、ソーシャルSEOとモバイルSEOを学べる1級に分かれています。
SEOのトレンドの流行り廃りは早いこともあり、最新のSEOを学ぶというよりSEOの本質や基本部分を学ぶイメージです。SEO検定で学んだことを土台に最新のSEO情報を追っていけば、SEOに強いWebライターとして活躍しやすくなるはずです。
「SEO周りの用語の意味がわからない」「そもそもSEOってなんだろう?」とお悩みの方は、SEO検定の受検を検討してみてください。受検をしなくても、公式テキストを読むだけで十分に効果があると思います(私も2~3級のテキストを読みました)。
受検費用 | ・1級:8,800円 ・2級:6,600円 ・3級:5,500円 ・4級:5,500円 |
試験日程 | 会場による(東京会場は月2回、大阪会場は3月、7月、11月、神戸会場は4月、10月など) |
試験方式 | 選択式 |
日本語検定
日本語検定とは、特定非営利活動法人 日本語検定委員会が運営し、文部科学省や日本商工会議所などの後援を受けている公的資格です。
漢字、表記、敬語、言葉の意味、語彙、文法の6分野や読解問題を学ぶことで、日本語の総合的な能力を測ります。いずれもWebライターにとっても重要な要素であるため、日本語検定を学習すればライティング能力の向上が見込めます。こちらもSEO検定と同じく、受検せずとも公式テキストを読むだけで勉強になるのでおすすめです。
受検費用 | ・1級:6,800円 ・2級:5,800円 ・3級:4,300円 ・4級:3,000円 ・5級:2,300円 ・6~7級:2,200円 |
試験日程 | 6月 |
試験方式 | 選択式、記述式 |
日本漢字能力検定
日本漢字能力検定(以下、漢検)とは、公益財団法人 日本漢字能力検定協会が運営する民間資格です。民間資格とは言えど、国家資格並みの知名度を持つ有名な資格ですね。
漢字の書き取り・読み、対義語・類義語、同音・同訓異字、誤字訂正、四字熟語など、漢字に関する総合的な能力を測ります。漢検を学習することで、語彙の増加や漢字の正しい使い方が身に付けることが可能です。Webライターの実務レベルなら、2~4級辺りの取得をおすすめします。
受検費用 | ・1級:6,000円 ・凖1級:5,500円 ・2級:4,500円 ・凖2~4級:3,500円 ・5~7級:3,000円 ・8~10級:2,500円 |
試験日程 | ・6月、10月、2月 ・2~7級ならCBT形式で1年中受検可能 |
試験方式 | 選択式、記述式 |
文章読解・作成能力検定
出典:日本漢字能力検定協会「文章検 文章読解・作成能力検定」
文章読解・作成能力検定とは、漢検と同じく公益財団法人 日本漢字能力検定協会が認定する民間資格です。「相手に伝わる文章を書くこと・文章を通じて論理的思考力やコミュニケーション力を高めること」を目的にした試験で、Webライターにとっても大切な論理的な文章力や、文章の論理構成において必要なルールなどを学びます。
Webライティング分野に限らず、総合的な文章力の向上を目指したいWebライターにおすすめの資格です。
受検費用 | ・2級:4,000円 ・凖2級:3,000円 ・3級:3,000円 ・4級:2,000円 |
試験日程 | ・2月(CBT形式あり) |
試験方式 | 選択式、記述式 |
資格取得を目指すWebライターが知っておきたい3つのデメリット・注意点
Webライターが資格を取得することにはさまざまなメリットがある一方で、「資格を取得したからこの先は安泰だ!」と思い込むのは危険です。資格はあくまでWebライターとしてのスキル・能力を証明する1手段であり、活かし方次第では役に立たなくなってしまいます。
資格取得を目指すWebライターが知っておきたい、以下3つのデメリット・注意点を紹介します。
- 資格だけに頼ると危険である
- 勉強する時間に営業活動や実績積みの時間が取られる
- 受検料や交通費などのお金がかかるケースがある
1.資格だけに頼ると危険である
資格を取得したからといって、Webライターの仕事がガンガン舞い込むことはありません。資格の学習は、スキルアップ・キャリアアップの手段の1つです。Webライターの仕事が得られるかは、「取得した資格をどうアピールするか」「学習した内容をどのようにコンテンツに反映するか」を考えることが大切になります。
資格を持っていようと営業力がなければ仕事は請けられませんし、文章力がなければクライアントが求めるクオリティを提供することができません。
執筆分野に関連した資格を取得する、自分が学びたい資格を取得する、クライアントが求めている資格を取得するなど、あなたの目的に応じたスキル・知識が身に付く資格を選びましょう。
2.勉強する時間に営業活動や実績積みの時間が取られる
資格勉強に時間を費やす分、Webライターの営業活動や実績積みの時間が減っていく点も資格取得のデメリットです。難関資格になると、勉強時間は数百時間におよびます。勉強し資格を取得する時間と、Webライターとして活動する時間のどちらが自分にとって有意義なのかを、事前に考えておきましょう。
実務経験や学歴が乏しかった私の場合は、営業活動や実績積みの時間を資格勉強に費やす時間に充てるだけの価値を資格に見出しました。結果的に、Webライターとしての仕事の幅が広がったのでよかったと思っています。資格取得がプラスになるかは、個人の状況とニーズによるケースバイケースであると思っておくのがよいです。
3.受検料や交通費などの費用がかかるケースがある
資格の取得には、試験の受検料、試験会場までの移動にかかる交通費、資格取得のための講座受講料などさまざまな費用が発生するデメリットがあります。また、資格学習に必要な公式・市販テキストや問題集を購入するお金も必要です。発生する費用と資格を勉強するメリットを比較検討することをおすすめします。
資格に頼らないWebライターに求められる能力
Webライターと資格の相性はよいですが、資格を持っていなくてもWebライティングの第一線で活躍するライターの方々は大勢います。現役Webライターの筆者から見た、資格なしで活躍するWebライターが持つ能力は主に次のとおりです。
- 仕事を取ってくる人脈・営業力
- マメな連絡や誤字脱字がないなどビジネスの基本能力
- SEOやWebマーケティング知識などクライアントを稼がせる能力
- 取材力・企画力などオリジナルコンテンツ作成能力
資格を取得する予定がない方、資格だけではないWebライターの武器を知りたい方は、ぜひ確認してみてください。
仕事を取ってくる人脈・営業力
Webライターの仕事につながる人脈の形成や、仕事を取ってくる営業力は、Webライターにとって大きな武器になります。
副業・フリーランスが多いWebライターは、会社員のように営業部門の方が仕事を取ってきてくれる環境ではありません。とくに初心者Webライターは自分で案件を見つけ、自分から営業をかけなければ実績を積むのも難しいです。
実務経験と資格のどちらも持っている優秀なWebライターでも、営業が苦手で仕事が取れなかったり低単価案件で疲弊したりするケースを見かけることがあります。実力さえあれば仕事が舞い込んでくる状態になるのは、相応の実績と信頼を積み上げてからです。
自分を適切に売り込める営業力・プレゼン力があれば、適正報酬の仕事や大人数がかかわる大型プロジェクトを受注できる可能性が上がります。
マメな連絡や誤字脱字がないなどビジネスの基本能力
クライアントへのマメな連絡や納品記事の誤字脱字のチェックなど、ビジネス系の基本能力はWebライターの仕事でも求められます。プロジェクトの募集要項にも、「社会人として当たり前のマナーを身に付けていること」と、あえて明記してあるケースもあります。
ある程度働く時間と量を自由に決められるのがWebライターの仕事ですが、クライアント側が会社員や経営者の方であるという認識を忘れないようにしましょう。
SEOやWebマーケティング知識などクライアントを稼がせる能力
納品した記事でクライアントを稼がせるWebライターになれれば、継続的に仕事を得られる可能性が高くなります。「Google検索順位で1位を取ってアクセス数を増加させる」「CV率が上がって売上がよくなる」といった記事を書けばクライアントの利益につながり、「〇〇さんにもっと依頼しよう」と評価してもらいやすくなります。
Webライターであれば、SEO知識の他にWebマーケティングに精通していると、利益が出るライティングを提供可能です。SEO・Webマーケティング知識を身に付けるメリットは次のとおりです。
- Googleの検索意図の推測と分析ができる
- 競合記事の分析や評価ができる
- 集客導線を意識し、CTAへ導ける構成案作成・ライティングができる
- 商品購入やお問い合わせなどを促すコピーライティングができるようになる
- アクセス解析によるさまざまな改善施策を提案できる
- SNS投稿やメールマガジンなどのライティングにも対応できる
このように、Webライターの仕事とSEO・Webマーケティング知識は相性抜群です。
取材力・企画力などオリジナルコンテンツ作成能力
読者への好印象やGoogle評価につながる内容のコンテンツを制作するには、オリジナリティや専門性が高く、E-E-A-Tを満たせる記事を書くことが大切です。
Webライターとしてのキャリアアップを目指すなら、有識者へのインタビューや現地への移動を苦にしない人脈・能力といった「取材力」や、読者から面白い・為になったと思われるコンテンツを考える「企画力」などを磨くことをおすすめします。取材・企画ができるWebライターになれれば、コンテンツの上流工程にもかかわりやすくなり、さらなる高単価の案件を受注できる可能性が上がります。
資格を取得して自分が専門家になる道とは別に、専門家に取材して独自情報を引き出せるライターになるというにも、2024年以降のWebライターの生存戦略と言えるでしょう。
資格✕執筆経験で頼られるWebライターを目指そう!
資格取得のために勉強することは、専門性や権威性などが重要視されるWebライターの仕事においてはプラスに働くことが多いです。文章力や営業力とともに専門性を証明できる資格があれば、執筆できる記事の幅が広がり収入アップや実績積みにつながります。
もしあなたが興味ある資格があれば、ぜひ一度挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。
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