【フリーランス・正社員別】Webライターの年収はいくら?1,000万円は可能なのかを考察

Webライターの年収っていくら? ライター経験談

これからWebライターを始めたい人、Webライターの収入を上げたい人にとって、収入の目安となる平均年収を知りたい人も多いのではないでしょうか。「1,000万円以上稼いだ!」との声も聞こえてきますが、1,000万円とは言わずとも高年収を目指せるのかは気になりますよね。

本記事では、さまざまなデータや私の実体験から、フリーランス・副業・正社員Webライターの平均年収はいくらなのかを考察しました。また年収1,000万円が達成可能かどうかや、Webライターが年収・収入を上げる方法も解説しています。

「年収は〇〇〇万円で決まり!」と断言はできないものの、目安のデータとしてぜひ参考にしてください。




フリーランス・正社員のWebライターの平均年収|1,000万円って可能なの?

Webライターの平均年収は200~400万円で1,000万円以上の狙える

フリーランスWebライターの平均年収は200万~400万円、正社員Webライターの平均年収は400万~700万円です。ケースによっては、年収1,000万円も可能だと推察します。

ただし詳細な平均は、専業・副業の違いや仕事に使える時間、正社員として勤める企業の待遇、雇用形態などの要因で大きく変動します。Webライターは、年収の平均値を出すのが難しい職業だと言えるでしょう。しかし2023年10月現在では、さまざまな組織・企業やメディアにて、Webライターおよびフリーランス関係の年収に関するアンケート調査が実施されています。

各団体・各社が公表している年収に関するデータを基に、フリーランスや正社員Webライターの平均年収がいくらなのかを考察しました。

フリーランスのWebライターの平均年収は200万~400万円

フリーランスのWebライターの年収は、200万~400万円がボリュームゾーンだと考えられます。ただし、この年収額は専業・副業など、さまざまな形態すべてを含めた数値です。以下では、Web上などで公開されているアンケート調査の内容から、平均年収がいくらなのか見ていきましょう。

Webライターの年収・月収情報掲載サイト平均年収や月収に関するデータ
ランサーズ
新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
(年収)
クリエイティブ職(写真・動画・ナレーション・ライター等)の平均年収198.6万円
ランサーズ
働き方調査2023
(月収)
・5万円未満 38%
・5万~10万円 10.7%
・11万~20万円 16%
・21万~50万円 21.3%
・51万~100万円 7.3%
・101万~200万円 2.7%
・201万円以上 4%
株式会社Woo
副業ライター500人へのアンケート
(月収)
・0~4,999円 254人
・5,000~9,999円 109人
・1万~2万9,999円 81人
・3万~4万9,999円 31人
・5万~9万9,999円 19人
・10万~29万9,999円 5人
・30万~49万9,999円 1人
株式会社IAMmedia
Webライター200人実態調査
(年収)
・1万円未満 125人
・1万~5万円未満 63人
・5万~10万円未満 6人
・10万~20万円未満 6人
フリーランス協会
フリーランス白書2019
(文筆系の年収)
・200万円未満 32%
・200万~400万円未満 26.9%
・400万~600万円未満 21.5%
・600万~800万円未満 8.2%
・800万~1,000万円未満 5.5%
・1,000万以上 3.7%
公正取引委員会等
令和4年度フリーランス実態調査
(年収)
・100万円未満 14.1%
・100万~200万円未満 12.6%
・200万~300万円未満 12.7%
・300万~400万円未満 12.6%
・400万~500万円未満 9.5%
・500万~600万円未満 6.9%
・600万~700万円未満 4.2%
・700万~800万円未満 3.3%
・800万~900万円未満 2%
・900万~1,000万円未満 2.1%
・1,000万円以上 3.4%

上記のデータを見ると、年収が300万円未満のWebライターやフリーランスが多くを占める反面、年収1,000万円レベルのライターも確かに存在します。「楽して稼げる」「誰でも〇〇万円!」のような甘い言葉通りの結果ではありませんが、実力のある人は高い収入を得られるのも事実の1つです。

とはいえ平均年収の上と下の格差を考えると、専業の仕事とするには安定性に不安があるとも言えるでしょう。一方でWebライターは、エンジニアやWebデザインなどと比較して副業としては始めやすい仕事ではあります。

正社員などのインハウスライターの平均年収は400万~700万円

正社員Webライターの年収は、400万~700万円と安定した数値になっていました。

Webライターを含むライターの仕事には、フリーランスだけでなく正社員などインハウスライターとして働くケースも存在します。各データから、平均年収がいくらなのか見ていきましょう。

インハウスライターの年収平均年収等
doda
doda職種図鑑|編集/記者/ライター(出版/広告/Web)
410.1万円
転職会議
記者・ライター年収まとめ
470万円
マイナビエージェント
Webライターの平均年収はいくら?メリットや年収を上げるコツも解説!
382万円
マイナビ転職
2023年版 職種別 モデル年収平均ランキング
・記者・ライター 673万円
・コピーライター 650万円
厚生労働省の「職業情報提供サイトjobtag」
テクニカルライター
コピーライター
雑誌記者
697.6万円

企業によっては正社員で年収1,000万円以上もあれば、300万円未満のケースも見られました。他の仕事と同じく、企業によって年収額に差があるようです。またインハウスライターの場合は、ライティング以外にも編集やSEO関係、その他業務も担当することも多いでしょう。

正社員ライターの年収は、他の仕事と同じくらいと考えておくのがよいです。「フリーランスやWeb中心の仕事じゃなくても、ライターとして働きたい!」という人は、正社員や契約社員などのインハウスライターを目指すのも1つの道です。フリーランスとは異なり正社員Webライターは、厚生年金保険や雇用保険、福利厚生などの保障制度が充実しているのが強みになります。

なお「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均給与は458万円となっていました。正社員Webライターもおおよそ平気程度の年収だと言えるでしょう。

Webライターでライティングのみの年収400万円以上は可能?

フリーランスWebライターなら、ライティングのみで年収400万円以上は達成可能だと思います。ただし、適正報酬の仕事や継続案件、時間などがある専業の場合です。

年収400万円は月収だと約33万3,000円です。1日あたり1万円強の利益があれば、月収は達成できます。ライティングだけだと案件で左右される上に労力・時間がかかりますが、決して不可能ではありません。例えば、私のクラウドワークスで得た、ある1か月分の月収は次の通りです。

フリーランスWebライターで年収400万円以上は可能

システム手数料や源泉徴収で結構引かれていますが(あらためて見ると結構引かれているな…)、クラウドワークス以外で請けているライティング仕事もあるので、合計すると1か月33万円以上は達成できていることがわかると思います。

2023年はライティング以外の仕事は請けていません。実体験ベースかつ今後はAIやSEOの動きによる市場変動を考えると一概には言えませんが、フリーランスのライティング仕事のみで年収400万円も、現実としては可能なレベルではないでしょうか(とはいえ、この月収を12か月継続するのがものすごく大変なのですが…)。

Web上のインタビュー記事やSNSでは、年収1,000万円レベルのライターの発信が目に入るでしょう。しかし、キラキラした発信の裏には、収入が安定せず多くの時間と労力を費やすフリーランスや副業Webライターの方々が大勢いることを忘れてはなりません。

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Webライターで年収1,000万円は可能?

Webライターが年収1,000万円を達成するのは不可能ではないと思います。フリーランス・正社員いずれの場合でもです。

とはいえ、エンジニアやデザイナーなど他業種のフリーランスでも年収1,000万円は難しいと考えると、他の仕事と比較して単価が低いWebライター業ではハードルが非常に高いのではないでしょうか。とくに、ライティング1本で稼げる人はほんの一握りでしょう。

しかし、ライティング以外の事業を組み合わせるなら年収1,000万円も狙えるかもしれません。Webライターが他に展開できそうな事業の例は次の通りです。

  • ディレクター
  • 編集者
  • ライター関係のコンサルティング
  • SEOコンサルティング
  • ブログやnote、出版などクライアントに納品する以外の執筆作品展開
  • 自分でWebメディア立ち上げ
  • ライターチームを結成し、大量受注や納品に対応できるようにする(編集プロダクションのようなイメージ)

ライティングスキルは、Webライターの仕事以外でも応用できる基礎的な能力です。Webライターを極めるか、パラレルキャリア・キャリアチェンジのきっかけにするかは、あなた次第と言えます。

Webライターあひる
中には「高単価の仕事を請け負い、超低単価で他のライターに書いてもらう」というマージンを抜く方法で稼ぐ人もいるようです。稼げるけど…胸を張れる仕事かと言われると微妙かもしれません。

Webライターが年収・収入を上げるために必要なこと

Webライターが年収・収入を伸ばすために必要なのは専門知識や取材スキル

2024年以降は、AI技術の発達によってWebライターの仕事にも影響が出ると考えられます。Webライターの報酬事情や高単価の執筆分野なども、大きく変わるかもしれません。以上を踏まえた上で、私が考えるWebライターが年収・収入を上げるために必要なことを考察します。

Webライターあひる
年収1,000万円を目指せるかは、あなた次第かも(私は相当努力しないと難しい)。

専門知識・公的資格などを取得する

専門知識や実務経験が求められる分野の執筆は、Webライター業界の中でも高単価になるケースが多いです。執筆難易度の高さや対応できる人材の少なさなどから、高スキルのライターは重宝されるからです。「あなたにしか書けない」とクライアントから評価されれば、新規案件や継続案件につながりやすいでしょう。

一度専門性を磨いて実績を積んでいくことで、積み上げた実績をアピールして新しい仕事も見つけやすくなります。また、SEOの評価基準であるE-E-A-Tにも対応できるフリーランスWebライターとして活躍できます。

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取ったもので、Googleの検索品質評価ガイドに定義されるWebサイトの評価基準のことです。

高卒の私の場合は、社会人時代に取得していた工業系資格や工場勤務経験、Webライター活動中に取得したFP2級などの金融系資格が、新しい案件獲得と年収・収入アップに役立ちました。FP系や簿記系資格は誰でも受けやすく、年間で何度でも受験できるのでおすすめです。

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「単価交渉をする」より「新クライアントを見つける」がおすすめ

「報酬を上げるには単価交渉しよう」と言われるケースを見かけますが。個人的にはそこまでおすすめできません。理由は次の通りです。

  • 大きく報酬を上げてくれるなら、始めから高単価で募集しているから
  • クライアントに予算がなければ、交渉しても単価は上がらないから
  • 単価交渉しても、現在の単価から2倍、3倍になる可能性は低いから(1円未満など元々低い場合は除く)
  • 交渉には精神的労力や時間がかかるから

今より収入を上げたいときは、低単価の案件、労力対効果が低い案件などを終了し、条件の良い新しいクライアントを探すことをおすすめします。ただし、請けている仕事は契約満了までしっかりと遂行しましょう。

取材スキルを身につける

SEOのE-E-A-T重視の傾向やAI台頭などもあり、Webコンテンツにはオリジナリティが求められています。信憑性が高いオリジナリティのあるコンテンツを仕上げるには、実際に人と会ったり場所を訪れたりなどの取材を行い、Web上にはない生の情報を得ることが大切になります。

そのため、今後は取材スキルがあるWebライターの需要が拡大する可能性が高いです。「でも、遠出する時間や移動手段がない」という人あっても、現在はZoomやGoogle Meetなどを用いたオンライン取材なら対応しやすいと思います。自宅などからでも、気軽に取材ができる時代となりました。

取材やインタビューそのものが難しいと感じるときは、他の人が取材・インタビューした内容を基に執筆する仕事を請け負うのもありです(私も何度か経験があります)。

AI関係のツールを利用する

「Webライターの仕事はAIに奪われる」と危機感を持つ人もいれば、逆にAIを仕事に活かして効率よく収益を上げるWebライターもおられます。

記事作成をすべてAIに任せるのではなく、AIに記事作成のサポートをしてもらうイメージです。骨子作成、自動校正、キーワード提案、要点まとめなど、ライティングでAIを活用できる場面は意外と多いです。AIをうまく使えば、Webライターの仕事をいくらか効率化できます。

とはいえ取材に基づいた創造性が高いコンテンツ、自身の経験などを基にしたオリジナルコンテンツなどは、AIだとまだ対応できません。

またAIにすべての仕事を任せっきりにすると、情報の正確性や著作権違反、情報の偏りなどの問題で質の低い記事が完成し、クライアントへ損害を与える可能性があります。実際にAIライティングを禁止するクライアントの増加や、AIライティングを検出するツールの登場など、AIライティングへの対策が行われています。

今のところ、AIはあくまでサポートツールとして、ライティングの効率化に活用するのがよいでしょう。

仕事を探すアンテナを広げる

Webライターの需要があるのは、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトだけではありません。高年収を目指すには、さまざま媒体でクローズドな仕事を探せるアンテナを貼ることが大切です。Webライターの仕事を探す方法として、主に次のものが考えられます。

  • クラウドリンクスなどのハイクラス向けのマッチングサービス
  • クラウドテックなどのフリーランスエージェント
  • Greenリクルートエージェントなどの転職サイト・転職エージェント
  • SNSでの案件募集(怪しい案件には注意すること)
  • 商工会などWeb上で公開されていない地元の需要
  • Webライター仲間からの紹介(馴れ合いにならないよう注意すること)

平均年収はあくまで目安|Webライターが稼げるかはあなた次第

本記事では、データや経験に基づいたフリーランス・副業・正社員Webライターの年収や、年収を上げるための方法などを解説しました。Webライターは、案件内容や仕事時間によって大きく報酬が変わる仕事です。そのため今回紹介した平均年収額はあくまで目安とし、あなたの今後の目標値の参考としてご活用ください。

「いくら稼いだから偉い」のではなく、「自分の人生ならいくら稼げば十分か」を考えることが大切です。また、Webライターには収入には表れない魅力・やりがいがあることも忘れないようにしましょう。

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