最近はTwitterでほとんど呟いていないのですが、TLはたまに覗いています。
ただ、最近はなんというか「稼ぎたい」「稼げる!」というのが前に出すぎている気がします(前からブログでもちょくちょく言及してるけど)。
「本当にこの雰囲気のまま突っ走って大丈夫なんだろうか?」
そんなことを考えるようになりました。
確かに私自身もこのブログで、月収や単価のお話をすることはあります。
が、あくまで「読みたい人向け」というニュアンスです。
- 誰でもこんなに稼げる!
- 未経験でも大丈夫!
- 〇〇万円稼いだから凄いライター!
上記のようなことを言うつもりはありません。
むしろ2年間強やってきた感想(ペーペーっちゃぺーぺーですが……)として、「未経験でも、高卒でもできる」なんて発信は、簡単にはしてはならないと思い直したところです。
ただ、稼げる関係の情報が溢れすぎて「バランスわりーなー」と思うので、あえて違う観点で「現実」をテーマに所感を書いていこうかなと。
雑記程度にお読みください。
今回使用させていただいたデータには、すべて参考元の明記とリンク設置を行っています。
より詳細を知りたい人は、ぜひリンク先の情報も読んでみてください。
Contents
一部の「生存バイアス」に流されることへのリスク(年収事情やら人口事情やら)

Webライターが稼げるかどうかは、一人ひとりの体験談と併せて「統計データ」を当たってみる必要があると考え、ちょろっと調査してみました。
主観や調査の偏りも入っているので、参考程度にしかならんのですが…まあご参考に。
Webライターの年収・収入に関する考察
Webライターやフリーランスに関係しそうな年収事情を簡単にまとめてみました。
統計的には、年収の現実はどのようになっているでしょうか?
- 「求人サイトはたらいく(2014~2015年)」のライター・記者・編集者
⇒259万円 - 「ライターステーション」の記事
⇒300万円 - 「フリーランス白書2019」の文筆系
⇒200万円未満32.0%、200~400万未満26.9% - リクルートワークス研究所の「データで見る日本のフリーランス」の全体職種
⇒298.7万円 - ランサーズの「フリーランス実態調査2020」の自営業系独立オーナー
⇒358万円 - 内閣官房の「フリーランス実態調査結果」
⇒「200万以上300万未満」が19%、「100万以上200万未満」が16%、「100万未満」が16%
⇒「300万以上400万未満」が16%、500万以上になると20%
200~400万円が相場でしょうか。
中には副業ライターも入っているデータもあるので、もう少し高い可能性はあります。
それでも「稼げるか」と言われれば、「公には言えねぇな」という私の感想です。
ちなみに正社員ライターにフォーカスしたデータとして、マイナビ転職の「2020年版 職種別 モデル年収平均ランキング」にて445万円の252位とあります。
日本人の平均年収は国税庁によると441万円です。
正社員でも大体平均程度、という印象です。
ちなみにライターの情報誌『ライターマガジンVOL.3』でも、ライター300人を対象に行った月収調査があります。
「月収のボリューム層」や「ライターの72%はライティング以外の仕事をしている」、「ライターになった理由」などの統計情報が載っているので、さらなる現実を知りたい方はぜひ。
ちなみにIT系フリーランス(エンジニアやWeb制作など)の年収は全体的に高めの傾向でした。
そもそもWebライターって、がっぽり稼ぐ職業かといわれると違う気もする。
Webライター人口が増えている情報(クラウドソーシング登録者数)
2021年現在、Webライターの数がどんどん増えているという声が出ています。
Webライターの数だけを見ることは難しいのですが、参考としてクラウドワークスとランサーズの状況を見ていきましょうか。
<クラウドワークス>
2020年6月末の登録者数が393.5万人。前年より100万人増加。ライターの登録者数も少なくとも10万人以上(2021年5月時点、スキルとして記事執筆・ライティングを登録している人は約2.5万人)。
参考:2020年9月期 第3四半期決算説明資料|クラウドワークス
<ランサーズ>
2019年末から2020年3月にかけて登録者が158%以上増加。
参考:「テレワーク拡大による企業・フリーランスの働き方の変化」 に関する調査を実施
増えてますね。同時にクラウドソーシングでのライバルも増えているとも言えそうです。
さてここで「気軽にWebライター始める人が増えただけだから問題ない」という論もあります。ただ、本当にそうでしょうか?
そう思う理由は単純で、「専門家」や「ハイキャリアな人の副業」「時間や生活に余裕がある人」の応募割合も増えるとも思うからです。
とくに金融や法律、経営コンサル分野などは専門家との勝負になります。
そのあたりの人口割合も見ながら、「どこで他のライターと差別化すべきか」「どの業界で勝負するのか」などを冷静に判断すべきなのかなーと。
ときにはがっつりとしたインプットに、時間を割くのも大事になってきそうです。
ただ、同じく「データで見る日本のフリーランス」によると、クラウドワークスとランサーズに登録・所属していると答えたのは7.4%だけという結果も出ています(無所属が91.9%)。
直接契約、という観点であればデータも変わるかもしれませんが、人口の割合で考えても増えているのは間違いないかなと推測。ワイの推測ちょっとガバいかも。
Webライター人口が減っている情報(フリーランスの現実情報)
厳しい側面として、フリーランスや自営業者の数が減っているというデータもありました。
- ランサーズの「フリーランス実態調査」(副業含む)
⇒フリーランス人口の2018年の1,119人万人から2020年の1,034万人と約80万人減少 - 中小企業庁の「小規模企業白書2020」「2006」
⇒1999年の422.9万社から2016年の304.8万社と小規模事業者数は年々減少している
⇒1年目の生存率62.3%・10年後は生存率約10%
あくまで全体の統計なので、Webライターに完全に当てはまるかはわかりません。
が、開業や起業が浸透してきた反面、続けることの難しさを示すデータなのではないかと。
Build up(株式会社IAMmedeia)実施の「Webライター実態調査」
面白い調査結果を見つけたので、「Webライター200人実態調査」もご紹介。
Build up(運営:株式会社IAMmedia)というメディアが、ランサーズに登録しているWebライター200人に行ったアンケート結果です(2019年5月7日~8日)。
- 専業Webライターであると回答した人は8人に1人
- Webライター歴1年未満の人が約半数
- Webライター歴3年以上の人は全体の1/4
- 毎月のWebライターの報酬が5万円以下と答えた人は188/200と9割以上
- クラウドソーシング経由で仕事を探している人が非常に多い
(参考:【Webライター200人実態調査】報酬額や勉強方法、仕事の獲得方法について)
こちらも少々厳しい現実に。
ただ「10万円以上円以上20万円未満」と答えた方もいました。
あと、仕事の獲得方法が「データで見る日本のフリーランス」の7.4%と違ってクラウドソーシング経由が多いなどの差異が見られます。
Webライターを始めるとき、クラウドソーシングを仕事の入り口としている人が多いことを表していますね(私もそうというか、今もそう)。
他にも「勉強の方法」や「始めたきっかけ」、「人気の書籍」などの興味深い内容が掲載中です。
ぜひ参考元の記事にも目を通してみてください。
稼げる人が発信する「生存バイアス」―挫折してしまった人の声―

「稼いでる」という発信者は、文字通り「生き残って稼いでる」から発信できています。
逆に挫折してしまった・撤退してしまった人の情報は、ほとんど表に出ていません。
極論をいうと、辞めた人と合わせた全体で見ると、うまくいく人の情報って数%~数十%位の割合でしかないと思っていまして。
というのも、前に書いた「【普通の日記】ただただ2年間Webライターを続けたことで得られた「刃」」で触れた「途中で辞めてしまった人」は、ほとんど静かに去っていきました。
理由はいろいろあれど、結局「成功者の声の影響がどうしても大きくなる」というのがあるのかな。
なので「その意見がすべて正しい!」「この人の言うとおりにすれば大丈夫」と盲目するのはちょっと危険です。
あとは「続けられないのはやる気や根性がないから」という意見。こちらも個人的には極論だと思います。
追いつかない差に絶望したり、生活環境的に続けられなかったり、どれだけ工夫しても応募が通らずつらい思いをしたり。
そういう苦しんでいる人たちを、ひとくくりにしてはならないと思うのです。「挫折した人たちもいる」という現実も、ちゃんと伝えねぇとなと。
搾取案件や詐欺教材|発信者や近づく人には「まずは疑い」を

「発信者の意見」の内容としてもうちょい考察を。搾取案件や詐欺教材のお話。
まずWebライター周りって少し特殊で、割と赤裸々に収益やら文字単価やらのお金の話題を、SNSやTwitterでオープンに話します(他のライターさんやクリエイター界隈ではそこまで見ない)。
お金の話が集まる、ということは「みんな稼ぐことに意欲的・積極的」ってことで、それはそれで1つの正解ではあります。
ただ、「お金の匂いが濃いところには悪い人が集まる」気がしていまして……。
「稼げます!」「文字単価上がりました!」「誰でもできます!」みたいな発信が頻繁に出ている界隈を見て、悪い人たちはどう思うかですよね。
私なら「この周辺の人たちなら簡単に騙せそうだ」って考えます。事実、被害に合う人も増えているようです。
なので、あからさま「初心者でも稼げるよ」「未経験でも挑戦できるよ」という言葉にはとにかく注意が必要です。
たとえば『ザ・コピーライティング』というコピーライティングの本では、「得になる」「新しい情報」「好奇心」「手っ取り早く簡単な方法」は人の目を引く効果的な文言と言及されています。
以上から、効果的な見出しには次の4つの重要な特徴があると言える。
1.得になる
2.新情報
3.好奇心
4.手っ取り早く簡単な方法(引用:『ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則』P77)
「未経験(誰でも)でも〇〇万円!その方法は……」みたいなコピーだと、まあ上記の内容を見事に網羅しとるわけです。
ぶっちゃけ、お金の話が集まるのは避けられない。
だからこそ、最初はできるだけ「発信者への疑い」から入ったほうが懸命だと考えます。
情報発信と同じように、盲目的になるのが一番危険だなと。
今は無料や格安でも、裏には高額なバックエンドが潜んでいる、というのは王道ですからね。
この本はライター業やそのほかの業務でも役に立っているので、興味ある場合は一度読んてみてください。
情報・案件の信じる信じないは「情報発信者の素性」の確認が必須
情報商材でも案件でもなんでも、とにかく情報発信者の素性の確認はめちゃくちゃ大事です。
どこまで調べるかなんですが、時間かけてでも深堀りすることをおすすめします。
- プロフィール(本当に未経験か、逆に本当に実績があるかなど)
- メディアの運営会社
- 過去の発注歴(依頼先、依頼料、メッセージ) など
中には文字単価アップと甘い言葉を囁きつつ、自身は1円未満の募集をかけている人も実際に見かけました。
現職・現職の経験や環境をうまく活かして活躍する人もいます。
それが良いか悪いの話というより、「そのノウハウは、本当に自分の状況に合っているのか・自分にとって現実的な方法論か」の判断ですね。
私は割と早い段階で「自分にはまだ他人のノウハウを実行する能力ない」と判断し、文章力やら知識や資格取得などの土台を固める方向で進んできました。
情報の発信元を見る場合は、「何を言っているか」より「何をやっているか」が、大きな判断材料になるのではと。
やり方は合ってるけど、やってること自体はグレーなんて、しょっちゅう見ます。
まあ、フリーランスに限らず会社の事業でも、大なり小なりあるのかもしれませんが。
Webライターの現実と「自分の現在地」との折り合いが大切(主観)
いくらノウハウが出回ろうと、いろんな体験談がバズって好評を得ようとも、「ライターとしての基礎力」「ライターの仕事を丁寧にこなす」ことが、結局生き残るには大事だと考えています。
地力がつけば、自然と提案や営業できる範囲が広がるので。
ブランディングは大事です。
この記事で使わせていただいたフリーランスのデータでも、「営業力」「人脈」「セルフブランディング力」の大切だと多くのフリーランスの方々が挙げていました。
ただ「商品としての自分」に魅力や実力がないと、売り込んだところで後々しんどくなります。
「できないものをできる」と叫ぶのは、非常のリスキー。取り返しがつかない失敗は、この世界には存在しますから……。
ときには「現実の自分」や「客観的な視点」に気をつけながら、一度Webライターについて考えてもいいんじゃないかなと。
以上、フリーランスの癖にチキン思考のWebライターあひるでした。