精神科医・映画評論家・作家・Youtuberなど、さまざまな顔を持つ樺沢紫苑(かばさわしおん)氏が執筆した『学びを結果に変えるアウトプット大全』は、私がブログ記事を書こうと思い立ったきっかけとなった本です。
アウトプット大全には「なにか書くことのメリット」や「情報を発信することのメリット」など、頭の中にある情報を外に出す「アウトプット」のメリットについて、わかりやすくかつ論理的に解説されています。脳科学やポジティブ心理学、行動心理学など「科学的根拠」に基づいたものとなっており、納得しながら読み進めることが可能です。
本記事では、アウトプット大全を通じて当時学んだことや、アウトプットのメリットなどを解説しています。少し古い本ですが、今の仕事環境でも通ずる良書だと思います。
Contents
アウトプット大全は当ブログ開設のきっかけとなった本の1つ
駆け出しWebライターの頃にアウトプット大全と出会ったことで、「初心者でもいいから、ブログを書いて勉強の成果を血肉としよう」と決意しました。
当時から「学のない自分でも、勉強すれば少しはましになるだろうか」という想いを持っていた私は、これまた当時流行っていた文言である「ブログで人生が変わった」という、クッソ怪しい文言の信憑性を確かめてみようと思い立ったのです。ある意味で、「アウトプット大全」は、ある意味この「アヒルクエスト」の生みの親となったのです。
さて、2023年11月現在でこの記事のリライトを書けている段階だと、アウトプット大全をきっかけに始めたブログのおかげもあって、フリーランスWebライターとして活動することになりました。ある意味、ブログで人生が変わったということでしょうか。
アウトプット大全の感想|書く・話す・行動するについて
アウトプット大全の著者は、「読んだら忘れない読書術」や「SNSの超プロが教えるソーシャルメディア文章術」などを執筆されている、樺沢紫苑(かばさわしおん)氏です。
アウトプット大全の構成は5つのチャプターとなっています。各チャプターのタイトルは以下の通りです。
1. アウトプットの基本法則
『学びを結果に変えるアウトプット大全』の目次、各チャプター名より引用
2. 科学に裏付けされた、伝わる話し方
3. 能力を最大限に引き出す書き方
4. 圧倒的に結果を出す人の行動力
5. アウトプット力を高める7つのトレーニング方法
アウトプット大全で語られるアウトプットとは、得た知識を本物の知識にする学びのためのものと、学んだものを実際に行動に移して求める結果につなげていくもの、この2つの意味を持っています。
そしてそれらを「話す」「書く」「行動する」の3つに分けてそれぞれ詳しく解説してくれているのです。
- 話で聞いたり本を読んだりして知った内容を、「話す」「書く」ことにより、記憶に定着させるアウトプット
- 脳に入っている知識を、実際に「行動」に移すことで実践していくアウトプット
本書の始めのチャプターである「アウトプットの基本法則」では、なぜアウトプットが効果的なのかが解説されています。一方で終わりのチャプターである「アウトプット力を高める7つのトレーニング方法」では、すぐにでも実践できるアウトプットの方法を7つ紹介しています。
ささっとアウトプットのメリットと実践方法を知りたい場合は、最初と最後のチャプターを読むだけでも効果的です。残りのチャプターは、時間があるときにでもじっくり読んでみてください。
以下では、当時の私がアウトプット大全を読み、個人的に感じたり考えたりした内容になります。
最高の自己成長を促す「書き方」
当時の私が一番参考にし、なおかつ面白いと感じた部分は、アウトプット大全の第3章にあたる「能力を最大限に引き出す書き方」でした。
この章では手書きやタイピングに限らず、「自分の考えや学びを、紙・デジタル媒体に書くこと」についての、科学的メリットがぎっしりと書かれています。
私はこの章を読んだおかげで「ブログを書いてみたい」衝動に駆られ、ブログのアヒルクエストを始めました。
「何かを書くこと」についての良いところがぎっしりと書かれており、この章を読むことでライター仕事の請負やブログ更新への大きなモチベーションとなりました。
当時、個人的に心に残ったメリットは以下の通りです。
- 「書くこと」は大脳全体へ向かう神経の活性化につながり、学習能力や記憶力が向上する
- とくに「手書き」で書いたり、同時になにか落書きしたりすることでより記憶力が高くなる
- 思いついた「ひらめき」は1分以内に書き留めるというアウトプットを行うことで、その「ひらめき」を脳により定着させやすくする。
3章の冒頭のページでは、以下の言葉が明記されています。
「書く」ことのほうが、圧倒的に記憶に残り自己成長を促します。
『学びを結果に変えるアウトプット大全』(P114)
私は本を読み進めるごとに、「文章を書くこと」に対する意欲がどんどん湧いてきました。書くことへのモチベーションを当時高められたのは、非常に大きな財産だったと思います。
自分も相手もプラスになる「話し方」
本書の第2章にあたる「科学に裏付けされた、伝わる話し方」では、「実践的な台詞回し」というより、「人との上手な付き合い方」のノウハウがぎっしりと書かれています。
具体的には「褒めるときや叱るときは客観的かつ具体的にしましょう」や、「ポジティブな言葉はネガティブな言葉の3倍は話しましょう」などです。
私はインドア&飲み会苦手派であり、話すことが得意ではないのですが、それでも「誰かと会話するとこんなに良いことがあるのか」と、話すことに対してポジティブな感情がめずらしく湧いてきました。
当時の私が個人的に面白いと感じたのは、次の部分です。
- 愚痴や悪口を言うと逆にストレスが溜まる上に、相手への嫌悪感が強化される
- 「ギブ&テイク」ではなく「ギブ&ギブ」の精神で話す(2023年時点での自分にとっては、結構否定的な考えですが)
愚痴や悪口を言うことに関してもきちんと根拠がありまして、愚痴や悪口のせいでストレスホルモン「コルチゾール」が分泌の原因になったり、「相手が嫌いという感情のアウトプット」になったりと、マイナス面が大きいことが解説されていました。確かにーと思いながら読んだのを覚えています。
次にギブ&ギブ精神の重要性は、名著の1つである「金持ち父さん貧乏父さん」でも書いてありましたし、アドラー心理学の本である「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」でも推奨されている考え方です。
「なぜ相手に見返りを求めないのが良いのか」という部分が、「返報性の法則」など心理学的根拠を交えながら、具体的に説明されていて面白かったですよ。
第4章である「圧倒的に結果を出す人の行動力」の内容と併せて、「成功者の習慣は、脳科学や心理学的にも裏付けが取れてるんだなー」と、ビジネス書や成功哲学に対する見方が、アウトプット大全で大きく変わりました。
とはいえ2023年現在だと、情報商材屋や謎のスクール講師がギブ&ギブを多用しているせいで、良くない言葉に聞こえてしまうのが残念です。自分的には、「誰にでもギブするんじゃなくて、ギブする相手はきちんと選びましょう」という処世術を推します。
「行動することのメリット」はあらゆる成功の秘訣である
あらゆるビジネス書や成功哲学書には「行動が一番大事!」と書かれているのですが、アウトプット大全を読む前の自分の中ではいまいち賛同しかねていました。
しかし、アウトプット大全の第4章では「チャレンジすることでドーパミンが分泌し学習能力や記憶力が向上する」や「とりあえず始めることで『作業興奮』状態になって脳の調子が上がってくる」など、「行動すること」へのメリットが科学的に示されていて、なるほどーと思いました。
とはいえ、がむしゃらになんの準備もせずに行動だけ起こすのは無謀だと思います。最低限のインプットをしてから始めるほうが、個人的にはよいなーと思いますね。「行動せよ!」と促してくる人は、元々天才タイプだったり、「行動せよ=俺の情報商材買え!」というメッセージを隠していたりなど、危険なケースも多いので。
それでも、自分の中で行動することの重要性について、論理的に納得を得ることに繋がりました。何かしたいけど尻込みしている、そんな方の後押しにぴったりの章だと思います。
ブログのモチベーションアップにおすすめのページ
「アウトプット大全」は、私のブログを始めるきっかけとなった本と前述しました。
当時の私の名kで、個人的に「ブログを書こう」というモチベアップとなったページをご紹介します。ブログを始めようか迷っている方、なかなか書き進まない方の参考になれば幸いです。
- 第1章「アウトプットの基本法則」全部 (P18~36)
- 「依頼する」 (P64)
- 「説明する」 (P92~94)
- 第3章「能力を最大限に引き出す書き方」全部(P114~187)
- 「続ける」 (P192~195)
- 「チャレンジする」 (P202~205)
- 「やってみる」「楽しむ」 (P208~211)
- 「完成させる」 (P216)
- 「ブログに書く」 (P262)
どんどんアウトプットしていきましょう
「なにかを始めたい」
「やりたいことがある」
そんな意欲をより駆り立ててくれるのがこの「アウトプット大全」の大きな魅力だと思います。
私もこの本を読んだおかげで、「ブログを書いている自分」という、今まで知らなかった部分と出会うことができました。
アウトプットに対する意欲が湧いてくる本なので、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?
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