Webライターとブロガーの違いとは?メリット・デメリットを現役が考察

Webライターとブロガーの違いって何? ライター経験談

インターネットが普及した時代において、在宅仕事や副業で収益を得る手段として、「Webライター」と「ブロガー」が広く認知されています。

いずれもWeb上に文章を執筆する仕事ですが、Webライターとブロガーには明確な違いがあります。どちらの仕事が向いているかは人によって異なるので、Web上に文章を執筆してお金を稼ごうと思っている場合は、両者の違いをしっかりと把握しておくことが大切になります。

筆者は本業Webライター、趣味レベルでブロガーです。どちらの働き方も魅力的である一方、デメリットもあると実体験を通じて理解しています。

AI技術や市場競争などの影響もあり、「Webライターやブロガーで誰でも稼げる」と掲げられる時代は終わりつつあると思っています(そもそもどちらも簡単に稼げる仕事ではない)。どちらの仕事を選ぶにせよ、努力、情熱、続ける工夫が必要になるでしょう。

本記事では、Webライターとブロガーの職務、メリット、デメリットを解説します。

Webライターとブロガーの違いとは?現役が解説します

Webライターとブロガーは、どちらもWeb上に文章を執筆して読者に届ける役割を持っています。しかし、業務形態は大きく異なります。

Webライターは原則として、クライアントから依頼を受けて記事を執筆し、執筆記事を納品して収益を得る仕事です。コンテンツ制作についてクライアントと業務委託契約を結び、納品した成果物に応じた対価を受け取ります。また、正社員や契約社員といった雇用契約を結び、インハウスライターとして活躍するケースも存在します

一方でブロガーは、個人的な意見や経験を基にしたコンテンツを制作し、PVや広告誘導を行うことで収益を得る仕事です。あくまで自分がメディア運営者として、さまざまな企画・PRを行います。

以下では、さらにWebライターとブロガーの違いを見ていきましょう。

目的と対象読者の違い

原則としてWebライターが執筆する文章の目的は、クライアントのための商業目的のライティングです。

クライアントから掲示されたテーマや、クライアントの承認を得た企画などを基に、クライアントの利益につながるコンテンツを制作します。Webライターの仕事の多くは客観的なライティングが求められることが多く、執筆内容もクライアントの指示に従うケースがほとんどです(案件にもよる)。

クライアントの利益はクライアントが求めるものによって変わるものの、「企業の認知度を高める」「商品・サービスのブランド力や販売量を増加させる」などが主な目的となっています。

こうしたクライアントの目的を達成できる記事を納品することで、Webライターはその対価に報酬を得ます。

Webライターの仕事の例は次の通りです。

  • SEO(検索エンジン最適化)を意識した記事
  • マーケティングコンテンツ
  • ニュース記事
  • プレスリリース
  • 商品説明
  • メールマガジン
  • 求人広告
  • ホワイトペーパー

一方でブロガーは、ブログを自分のメディアとして運営し、自身の考えを発信したり読者との信頼関係を築いたりすることを目的に記事を執筆します。

ブログを通じて自身の影響力を高めることで、影響力を利用した自身の商品販売や広告収入などでマネタイズを行います。ときには自身のメディアの影響力やセールスライティングを駆使し、商品・サービスのプロモーションをすることもブロガーの仕事の1つです。

Webライターが執筆する文章との大きな違いは、ブロガーは自身の体験談や感想が重要視される点でしょう。「この人の文章だから読もう」「この人がおすすめするなら買ってみよう」など、ブログの運営者自身の魅力が収益に大きく関係します。

近年ではブロガー自身が執筆するだけではなく、外部のWebライターに記事制作を委託し、制作した記事を自分で監修して掲載するケースもあります。

Webライターとブロガーの収入構造の違い

Webライターの収入は、プロジェクトごとに得られる報酬や時給制で得ることが多いです。事前にクライアントから掲示された記事単価、文字単価、成果報酬、原稿料などを基に、記事納品を納品して対価を得るフロー型のビジネスとなります。

一方でブロガーは原則として、広告収入やアフィリエイトマーケティングによる収益が主です。ブログを一種の資産と捉え、記事を増やしていくことで利益を得る機会を増やしていく、ストック型のビジネスとなります。

収益化までの速さの違い

Webライターとブロガーを比較すると、Webライターのほうが即金性があります。Webライターは記事を執筆して納品した時点で、報酬が発生するからです

月末締めの翌月末払いなら記事を納品した翌月末、クライアントによっては納品してすぐに振り込んでくれるケースもあります(直接契約の場合は請求書を発行する必要があり)。

一方で広告収入が主になるブロガーは、実際に収益が発生するかどうかが未知数な状態でスタートします。ブログ運営がうまくいかなければ、いくらブログを書いてもマネタイズすることはできません。

しかし、ブログ運営に成功すれば、クライアントによって報酬が決まるWebライターよりも青天井に稼ぎやすいメリットがあります

執筆ルールの違い

Webライターは、原則としてクライアントから指示された執筆ルールに従います。自分が思い通りに、自由に執筆できるわけではありません(一部そういった案件もありますが)。

渡された執筆マニュアル(トンマナ、出典表示、表記ルールなど)、企画案、構成案などを確認し、クライアントの要望に沿った記事を作成します。

一方でブロガーは、自分で執筆ルールや企画内容などを決定します。つまり、他者から矯正される執筆ルールが存在しません。

一見ブロガーのほうが自由に書けて楽しそうではあります。しかし、ブロガーはクライアントからのFBや企画がもらえないため、すべて自分の責任で文章を執筆する必要があります。基礎的な文章力がなければ、読者に記事を読んでもらうことすら難しいでしょう。

Webライターとは?クライアントとの関係やメリット・デメリット

Webライターの仕事は、主に「クライアントのための利益のために記事を書くこと」です。

記事の内容や入れる情報はあくまで読者ファーストかつクライアントもそれを求めることも多いですが、あなたが考える読者ファーストとクライアントが考える読者ファーストがズレていると、いくら記事を書いてもクライアントに受け取ってもらえず、収益を得られないかもしれません。

以下では、Webライターの役割とメリット・デメリットを解説します。

Webライターの役割と職責

Webライターは、特定のクライアントやメディアのためにコンテンツを制作する専門職です。

主な仕事は、SEO(検索エンジン最適化)を意識した高品質な記事を書くことにあります。SEOを意識したライティングによって、クライアントのWebサイトの検索エンジンでの可視性が高まり、より多くのトラフィックを引き寄せられます。

近年では、SEOを目的とした記事以外にも、Webライターの仕事の幅が広がってきました。

Webメディアに掲載する記事であっても、「エッセイのように自分の体験談を好きに書く」「有識者として意見論評を書く」「インタービューなどの取材をした内容を基に書く」といった、必ずしもキーワードや結論ファーストを必要としないケースもあります。

また、Google検索に表示される記事以外にも、メールマガジン、企業のホワイトペーパー、コーポレートサイトの経営理念や採用情報、Kindleといった電子書籍、LPといった広告系の記事など、Web上で閲覧できるさまざまな文章を書く仕事を任されることもあります。

YouTubeの漫画動画、tiktok台本、ソーシャルゲームのシナリオなども、仕事として挙げられるでしょうか。

さらにWebライターのキャリアを積んでいくと、Web記事から雑誌・書籍など紙媒体の仕事にシフトする人も珍しくありません。実際に私も、ある資格の解説テキストを執筆した経験があります。

「Webライター」というのはあくまで括りであり、Webライターの仕事の延長線上には、媒体を問わない数多くのライターの仕事があると思っておいてください。

Webライターあひる
どのような仕事があるかは、クラウドワークスやIndeedで「Webライター」と検索するとわかりやすいかも?

クラウドワークスのWebライターの仕事

IndeedのWebライターの仕事

Webライターに求められるスキルセット

Webライターに求められるのは、SEOの知識やマーケティングに関する理解です。

Googleの検索順位上位を目指すには、まずSEOに効果的なライティングが求められます。検索上位表示によって流入した読者からのお問い合わせやサービス購入などにつなげるための、マーケティング施策やセールスライティングも求められるケースがあります。

またWebライターに求められるスキルでとくに重要なのは、「クライアントのニーズに応じてさまざまなスタイルやフォーマットのテキストを、柔軟に書き分ける能力」です。

Webライターは原則として、自分が書きたいものではなくクライアントが求める内容を執筆します。読者だけでなく、クライアントのニーズを汲んでこそプロのWebライターと言えるでしょう。

YMYL(マネー、不動産、転職、医療など)が求められる分野の執筆は、執筆分野に関する専門知識と情報源などが必要です。Webライターは書くだけでなく、自分自身も学習を通じたインプットを続ける必要があります。

Webライターのメリットとデメリット

Webライターの仕事を続ける、自分なりのメリットとデメリットをまとめました。

Webライターのメリット

  • さまざまな業界で需要があり、専門知識や経験を活かしたライティングができる
  • ブロガーよりも定期的な収入が見込め、フリーランスとしても活動しやすい
  • 取材ありきの外仕事と完全在宅を、自分の裁量である程度割合を決められる(筆者は完全在宅)
  • 編集者、校正者などへのキャリアチェンジもできる
  • 正社員や契約社員のWebライター仕事もあるので、より安定して働ける可能性がある

Webライターのデメリット

  • 収入がクライアントのプロジェクト依存であるため、不安定になることがある。
  • 納期が厳しく、高い品質が常に要求される
  • 案件1つあたりの単価の水準が低く、始めのうちは多くの文字を書く必要がある
  • 初心者や稼ぎたい人をターゲットにした悪質案件に引っかかる可能性がある

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ブロガーとは?自由度や必要なスキル、メリット・デメリット

Webライターと比べると、ブロガーの視点は「自分自身が経営者」という考えに近くなります。あなたが思うようにコンテンツを制作できる反面、その結果はすべて自分が引き受けなければなりません。

成功すれば大きな収益が、失敗すればサイト運営費分の赤字が出る可能性があります。以下では、ブロガーの仕事について見ていきましょう。

ブロガーの役割と自由度

ブロガーは個人として自由にコンテンツを制作し、自らのウェブサイトやブログで公開します。

昔ながらのブロガーは自己表現と情報共有を主な目的としており、しばしば個性的な記事が多くのフォロワーを惹きつけます。魅力的な文章に加えて、執筆する人の人柄や個性も重要になるのです。

一方で、近年のブロガーはマネタイズを目的の中心に据え、戦略的に記事を執筆する人も非常に増えてきました。自分の好きだけでなく、広告主から依頼された商品・サービスのレビューや紹介することで、広告収入を得るスタイルです。

「自分が好きなものや紹介したいものを共有して読者に買ってもらう」というより、「自分が紹介しやすいもの、高単価なものなどを選定し、ターゲットを絞って記事を書く」というイメージになります。

この場合だと、Webライターが納品する記事と同じく、SEOやセールスライティングを意識した文章を書くケースも珍しくありません。

守るべき執筆ルールはないものの、マネタイズを考えたときには自由奔放に書きすぎるわけにもいかず、バランスが難しいと言えるでしょう。

ブロガーに必要なスキルと視点

ブロガー自身が持つ創造性や独自の視点は、ブログの魅力を大きく左右します。また、ソーシャルメディアを活用して、広範囲に読者と交流する能力も重要です。

ある意味でブロガーは、Webライターよりも「誰が書いているか」が成功確率を大きく変動させる要因になります。

ブロガーは、Webライターが求められる平易な文章と比較して、個性的な文体や語り口を持つことが特徴です。

ときには写真やビデオなどの視覚的要素を使って読者の注意を引くこともあり、SNSでのプロモーションスキルやコミュニティマネジメントの能力が求められることもあります。

とはいえ近年ではWebライターも文章以外のスキルを求められるケースも多く、今後Web発信を検討するうえでは、ブロガー・Webライターに限らず誰しもが必要になるスキルになるかもしれません。

ブロガーにとって重要なのは、自分自身のスタイルを確立し、それを一貫して発信し続けることでしょう。「〇〇さんが書いた記事だから読む!」「〇〇さんが紹介する商品だから私もほしい」と思ってもらえれば、ブロガーとして生計を立てていけるはずです。

ブロガーのメリットとデメリット

ブロガーの仕事を続ける、自分なりのメリットとデメリットをまとめました。

ブロガーのメリット

  • 直接的な収益化が可能であり、個人ブランドを築くことができる。
  • 表現の自由度が高く、また納期がないので自分のペースで執筆できる
  • 自分が紹介したいものや題材を自由に設定できる
  • 軌道に乗れば、Webライターよりも収益を伸ばしやすい

ブロガーのデメリット

  • 収入が不安定であることが多く、持続可能なビジネスモデルを構築するのが難しい場合がある。
  • SEOの変動により、トラフィックが不安定になると収益が一気になくなる
  • SNSで炎上騒動になると、一気にブランド力が失われる可能性がある
  • ブログのセキュリティや剽窃・コピペ対策を自分で行う必要がある

Webライターとブロガーのどちらを選ぶべきか?

Webライターとブロガーのどちらを選ぶべきかは、ぶっちゃけると好き嫌いだと思っています。やりたいほうをやるのが正解です。

私のように、Webライター・ブロガーをどちらも並行して行う人も数多くいらっしゃいます。「Webライターの仕事で磨いた文章をブログに活かす」「ブログで試したセールスライティングやSEOをWebライターの仕事に活かす」といった相乗効果を生むことが多いので、余裕がある人は同時進行するのもありです

それにブロガーの実績を積めばWebライターの仕事につながることもあれば、Webライターとしての実力を伸ばせばブログのブランド力強化にもなります。

選び方があるとすれば、あなたのキャリアの目標、興味、ライフスタイルにもっと合う選択をすることが重要です。

自己表現の自由を重視するならブロガー、安定した収入と専門性を追求するならWebライターが適しているかもしれません。

Webライターあひる
どちらの仕事も初期費用が少ない方なので、とりあえず始めてみるのも1つの手です!

Webライターとブロガーはどちらもやりがいがある仕事

Webライターとブロガーは、どちらにもメリット・デメリットが存在します。どちらが優れているといった話ではありません。

最適な選択をするためには、自身の目的とこれらの情報を照らし合わせ、考慮することが重要です。どちらの道も個々の目標と情熱に応じて、大きな成功を収める潜在力を持っています。

個人的には、スモールスタートでもよいのでいずれはどちらにも挑戦してみるのがよいかなと思っています。その後、1本に絞るか並行するかを決めても、遅くないんじゃないかというのが私の考えです。

どちらを始めるにせよ、投資や飲食店などのように、失敗によって莫大な赤字が出ることはほぼありません。自分のペースで、始められるから始めてみてはいかがでしょうか?

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