2018年6月より利用し始めてから丸3年、クラウドワークス公式の認定資格「プロクラウドワーカー」や、公式のスキル検定の1つ「Webライター検定」などを取得してきました。私が取得したもの、取得してから経過したおおよその年数は以下のとおりです(2023年12月現在)。
- プロクラウドワーカー:4年
- TOPプロクラウドワーカー3年
- Webライター検定1級:3年
- Webライター検定2級:3年半
- Webライター検定1級:3年半
さて、おそらく気になるのは「認定やスキル検定のおかげで仕事が増えたの?」「実際にプラスの影響があったの?」という点だと思います。
そこで当記事では上記5つの公式資格を取得した後、クラウドワークスで仕事を取るときにどのような影響があったのか、取得してみた感想はどのようなものかなどについて、取得した時系列に沿ってまとめてみました。2023年12月時点での情報です。
あくまで個人的な体験談の範囲です。誰しもが必ずこの結果や感想になるという保証はありません。以上を踏まえた上で、参考程度にお読みください。
「やり取りが丁寧だったから良い」「文字単価が低いからダメ」と断言するものではありません。この点も参考程度に留めていただければと思います。
Contents
クラウドワークスの「スキル検定」などの公式資格とは?
クラウドワークスが公式に認定している資格としては、「スキル検定」と「プロクラウドワーカー」の2つが挙げられます。この2つはクラウドワークス会員であれば誰でも取得のチャンスがあり、取得することで、クライアントへアピールしやすくなるのがメリットです。
スキル検定とは
クラウドワークスのスキル検定とは、検定に合格したクラウドワークス会員のスキルを可視化することで、専門スキルを求める発注者と仕事を受けたいワーカーとのマッチング精度を高める目的で開発されたプログラムです。コンテンツマーケティングを専門に手掛けるプロ集団株式会社グリーゼと、株式会社クラウドワークスの共同開発によって誕生しました。
スキル検定合格したワーカーは合格証が発行され、プロフィール欄に掲載できます。スキルを可視化することで、「ワーカーに依頼するときに、どの程度のスキルレベルなのかわからない」という悩む発注者とも出会いやすくなります。また、試験や学習を通じて得られる知識・技術は、クライアントワークにおいても役に立つでしょう。
2023年12月現在では、「Webライター検定1・2・3級」と「ビジネス検定」の計4つのスキル検定があります。エンジニアやデザイナー向けというより、執筆仕事や事務仕事を請けたいワーカー向けの検定となっています。
スキル検定の種類 | 概要 |
Webライター検定3級 | Webライティングにおける基本的な文法、文章表現、著作権ルール、クライアントワークのビジネスマナーなどの基礎的な知識を証明する |
Webライター検定2級 | 記述テストを通じて、構成案に基づいた読み手の心を動かす実践的な文章が作成できる知識・能力を証明する |
Webライター検定1級 | マーケティングの基礎知識を含めた高度なライティングスキルや構成案作成能力を証明することで、レベルの高いライターであることをアピールする |
ビジネス検定 | Excelのスキル(SUMやVLOOKUPなど)やビジネスマナー(敬語の使い方や電話対応など)の試験を通じて、事務スキルやマナー力を証明する |
Webライター検定に関しては、私のときは独学で学習するしか対策方法がありませんでした。2024年5月現在では、【みんなのカレッジ】 という各種Webライターコースにて現役メンターと一緒に学ぶことが可能です。
SNSでの交流やメンターのクラウドワークスのプロフィール・実績などを拝見しても、活発かつ実りのあるオンラインスクールだという印象があります(私は受けたことがないので推測ですが)。
無料相談から受け付けているので、Webライター検定の対策をしたい人、Webライターについて1から学びたい人はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
参考:株式会社クラウドワークス「企業がクラウドソーシング利用時に 最も不安に感じる「スキルの不透明さ」を解決 ~WEBライターのスキルを測る「スキル検定」プログラムを開始~」
プロクラウドワーカーとは
プロクラウドワーカーとは、「納品完了率90%以上」「獲得報酬額 月間ランキング200位以内」「総合評価4.8以上」など、クラウドワークス内の実績が一定以上の水準に達したワーカーに付与される公式認定です。
プロクラウドワーカーになると、プロフィール欄への青色のプロクラウドワーカーマーク表示や、プロクラウドワーカーと限定スカウトの受取などが可能になります。
さらに、より厳しい基準をクリアしたワーカーには、TOPクラスとして黒色のTOPプロクラウドワーカーマークの表示や、TOPclass名鑑への掲載などが行われます。
→クラウドワークス「TOPclass名鑑」
筆者が実際に取得したスキル検定などの公式資格は役に立った?
では実際のところ、筆者が実際に取得したスキル検定やプロクラウドワーカーなどの公式資格は、仕事を行う上で役に立ったのでしょうか?
ここからは経験談を交えながら、Webライターである筆者が取得したスキル検定やプロクラウドワーカーについて、感じたリットや取得のコツをまとめました。
クラウドワークス公式資格その1.プロクラウドワーカー
初めてプロクラウドワーカーに認定されたのは2019年7月26日。当時は執筆経験1年程度のライターで、文字単価も最高で1円程度でした。貯金を取り崩しつつ、バイトとの掛け持ちで生活していた頃です。そんな中で渇望していたプロクラウドワーカー認定を遂にいただき、大変嬉しかったことを今でも覚えています。
さて、では実際に認定された後にどうなったかと言いますと、早速8月に1.5円のスカウトが来ました。
それまでは1円未満のスカウトしかなかったので、「これがプロクラウドワーカーの効果か……!」と実感。やり取りも大変丁寧なクライアントで、その後1円以上お付き合いすることに。とはいえ本当はプロクラウドワーカーか否かは関係なく、たまたまタイミングが良かった可能性もありますが。
プロクラウドワーカーを取得した後は、プロジェクトへ応募するときの通過率が上がったと感じました。1円以上の案件でも安定して取れるようになったのはこの時期です。
ただしスカウト全般の質が上がったかと言われれば、そうではありません。搾取目的の案件や、法律や倫理観から逸脱した相談は相変わらず届きます。その一方で、プロクラウドワーカーやライター経験者を対象にしたスカウトが、少しずつ届くようになった印象があります。
クラウドワークス公式でも「メルマガやサイト内で取り上げられやすくなるよ!」とアナウンスしているので、その効果があったのかもしれません。良い公式資格だと思います。
クラウドワークスがアピール
メルマガやサイト内で優先的にとりあげられ、クライアントからアプローチされる可能性が高まります。
なにより私の場合、「プロクラウドワーカーだ!」と思えるようになったのが収穫でした。以前よりも自信を持った営業活動ができるようになったという、メンタル的なメリットが大きかったですね。プロクラウドワーカーの認定条件(収入基準やその他条件)や難易度、メリットなどについては、以下の記事で詳細にまとめています。
クラウドワークス公式資格その2.スキル検定|Webライター検定3級
無料で誰でも受けられるスキル検定の1つ、Webライター検定3級は、2023年10月現在だとすでに7,000人以上が取得しています。まず結論として、Webライター検定3級の資格のおかげでスカウトが増えた、提案がとおりやすくなったなどの印象は正直ありません。
しかしこの公式資格は、経験者ライターの復習用としての役割を含め、ライターのレベルアップ用の教材として最適だと思います。「これ、無料で見ていいの?」というのが正直な感想です。Webライティングの基本だけでなく参考にすべき情報源や著作権のルールについても触れているので、非常に有益だと思います。勉強すれば公式資格とともに、中級以上のライターの復習用としてもよいのではないでしょうか。
クライアントと一緒に仕事していると、3級の検定動画内で解説している内容を、Webライターに最低限求める基準として設定しているケースが多々見られます。3級の内容が実施できず、大幅な修正や契約打ち切りに発展した同じプロジェクトのライターを、少なからず見てきました。
「Webライターとして働くには、まず何を使って勉強すればよいですか?」と言われたら、この動画の視聴をおすすめします。合格を目標にというより、動画内容を完璧に理解するという方向がよいでしょう。Webライター3級を取得した感想やメリットなどの詳細は、以下の記事にまとめています。
クラウドワークス公式資格その3.スキル検定|Webライター検定2級
スキル検定のWebライター検定2級に関しては、自分が合格した当時は他の合格者が現在ほどいませんでした(2019年11月頃)。合格者が目立ちやすかった点はあるかもしれません。その点を踏まえてのお話になるのですが、プロクラウドワーカー認定時と同じく、取得してからのスカウトの質は上がった気がします。
プロジェクト案件の通過率に関しては、この当時は継続案件が多くて応募したことが少なかったこともあり、何か特別に恩恵があったかどうかが未知数です。応募時は「クラウドワークス公式で認められた資格であること」や「2級では具体的にどんな学びがあり、その学びをプロジェクトでどう生かせるのか」といった点をアピールしました。
2級の受講によって、自分のライティングのブラッシュアップにつながったかなという感想です。2級の講座内容は「正しくわかりやすい文章」から「より魅力的な心を動かす文章」へのシフトが行われ、当然ながら3級よりも踏み込んだ内容を学習できます。
個人的には学習内容に加えて、「1発勝負のテストで試行錯誤した経験」が得られることに大きなメリットがある気がします。テスト中の気づき、ペース配分、テストの雰囲気などを経験として残せるので、1級のテストやクライアントワークでも活かせます。
2級のテストは3級のテストとうって変わり、実際に文章を書いていく記述問題が最大の難関です。2級動画視聴中は「理解したからテストでも問題ない」と錯覚したのですが、検定テスト本番で「知識と実践はまったく違うぞ」と泣きを見ました。自分が独学で一発で合格できたのは、すでにWebライティングに2年近く触れていたからでしょう。運が良かった。これは1級に関しても同様です。
Webライター検定2級の受験体験記は、他のライターの方々がnoteやブログなどさまざまな媒体で公開しているので、そちらのほうが参考になるかもしれません。また、2023年10月現在では、クラウドワークスが主催する「みんなのカレッジ 」などで、仲間と一緒にライティングを学べる時代です。興味ある方は、みんなのカレッジをチェックしてみてはいかがでしょうか。
私のWebライター検定2級の体験記については、以下の記事にまとめています。
クラウドワークス公式資格その4.スキル検定|Webライター検定1級
スキル検定のWebライター検定1級を取得したときは、3級や2級、プロクラウドワーカーを取得したときと比べても、自分のプロフィールを見て指名してくれるクライアントがあきらかに増えたのを実感しました。
プロフィールをチェックして指名してくれるクライアントからは、製作コンテンツに対する熱量が伝わるケースが多いです。「コンテンツを真剣に作ろうとしている」という誠実さが伝わる上に、ライター側のことも仕事相手としてリスペクトしてくれます。何より仕事のやり取り面、報酬面、やりがい面、自身の勉強の面など、多くの点で自分にとって大変ありがたい案件が多いです。
1級試験の難易度については別記事でも書いたとおり、私にとって高難易度の試験でした。別テーマでもう一度合格しろと言われても、正直自信はありません。合格して資格を取れて良かったと思います。
学習内容は2~3級の「読者やクライアントに満足いただける文章を書けるのか」から、「どれだけクライアントの売上に貢献できるのか」という、相手の利益に直接影響を与える部分に踏み込んでいます。この難易度の内容を学習し真剣にテストを受けた経験は、ライティングに対する意識が変わるきっかけになりました。
またあくまで私の場合ですが、1級で勉強した内容はプロジェクト案件への応募時や構成提出時など、営業的な部分でも大いに活用しすかったのを覚えています。クライアントに対して「記事内でこういう動線を引くことで、製品の売上につなげます」や、「この見出しで読者の心情がこう動くので、この内容で切り込みます」など、より具体性を持たせた提案を常に意識できるようになったイメージです。
一方で1級取得をきっかけに仕事を請けた結果、私自身の力不足が露呈する案件も増えてきました。いまだに迷惑をかけてしまうことも少なくありません。厳しいお言葉をいただくことも当然あります。なにが言いたいかというと、「Webライター検定1級の資格を取ったからといって、無敵になれるわけではない」ということでしょうか。
クライアントとの取引においては、学んだ知識を生かして読者やクライアントに貢献できるかがすべてです。Webライター検定講座での勉強やスキル検定取得は、あくまでクオリティの高い記事を目指す手段の1つであるとの認識がよいかと思います。
とはいえ、クラウドワークスをメインに仕事を取りたい人は、Webライター検定1~3級の資格を取得することで、報酬面やキャリア面で大きな恩恵が受けられるはずです。ライターとしてだけではなく、クラウドカレッジの講師やアドバイザーとしての仕事もあるかもしれません。
Webライター1級に合格した感想は、以下の記事にまとめています。
クラウドワークス公式資格その5.TOPプロクラウドワーカー
TOPプロクラウドワーカーの認定を受けることは、3年前にクラウドワークスを利用すると決めたときから1つの目標でした。認定されたときは内心ウキウキです。
直接言及はないものの、TOPプロクラウドワーカーである自分を選んでくれたのかな?というスカウトが増えました。これは体感なのでなんとも言えませんが、1級取得で増加+TOPプロクラウドワーカー認定資格で増加という感じです。TOP名鑑に名前が乗るので、その影響があったのかもしれません。
とはいえ正直、初取得した時期はフリーランスライターとしてそこそこ経験を積んでいたので、TOPプロクラウドワーカーが要因になってスカウトがきたかどうかは不明瞭です。
TOPクラウドワーカーを取得した感想などは、以下の記事にまとめています。
【注意点】認定や検定のおかげで提案が100%通るわけではないと思う
1つ言及しておきたいのは、Webライター検定1級などのスキル検定やTOPプロクラウドワーカーを取得からといって、応募したプロジェクトで提案が通るわけではないという点です(私の場合です)。案件獲得においては、FP2級や証券外務員1種などの公的資格のほうが受けがよいケースも珍しくありません。
あくまでも資格自体はアピールポイントの1つ。その先へ進むには日々の積み重ねと誠実な仕事、積極的な営業が大切になるのだと思います。
【番外編】クラウドワークス公式以外の資格で役に立ったものはFP2級
プロクラウドワーカーやスキル検定などのクラウドワークス公式資格以外にも、Webライターの私はいくつか公的資格を持っています。その中でもとくに役立ったのは、FP(ファイナンシャルプランナー)です。FP2級まで取得すると、一気に仕事の幅が広がりました。具体的には次のとおりです。
- 資産設計、保険、金融、税金、不動産、相続関係の知識が幅広く身に付くので、執筆できる分野が一気に広くなった
- FP2級以上の資格者限定の案件に応募できるようになった
- 証券外務員や簿記など、勉強分野が被っている資格の取得にも役に立った
他の資格だと、証券外務員一種が投資系分野の記事、簿記3級が経理系分野の記事、冷凍機械責任者1種が製造分野の記事の受注・執筆に役立ちました。
プロクラウドワーカーやスキル検定が「Webライターとしての能力」を証明するものなら、公的資格は「執筆分野の専門性」を証明するものです。学歴のない自分にとって、これらは大きな武器となってくれました。FP2級は、クラウドワークスでも使える資格としておすすめです。
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「WebライターとFP資格の相性|元現場作業員が金融分野の記事を任されてるのは本当?」
FP2級以外で役に立つと感じた資格一覧
FP2級以外でも、クラウドワークスで活躍する上で役に立つ資格もいくつかあります。私が取得していないものを含めて、クラウドワークスで役に立つと感じた資格は次のとおりです。
クラウドワークスで役に立つ資格 | 概要 |
宅地建物取引士 | 不動産関係の執筆・監修系の仕事に活かしやすい |
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | WordやExcelなどを利用するデータ入力や、その他事務仕事でのアピール材料になる |
日商簿記(2級以上) | 仕訳業務の代行や経理系記事の執筆・監修依頼の仕事に活かしやすい |
士業系の資格 | 税理士、行政書士の独占業務や、社労士関係の記事執筆・監修、弁護士の法律解説系の仕事など、権威性ある仕事に携われる |
Photoshop/Illustrator | デザイン系の仕事のスキル・知識を客観的に証明できる |
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「Webライターにおすすめの資格7選!それぞれの特徴と取得のメリット・デメリット」
仕事を受注するには実務経験・実績が重要
クラウドワークスで仕事を受けるには、資格取得以上に実務経験や実績が重要になります。
スキル検定やプロクラウドワーカーと同じく、資格を取得したからといって仕事が舞い込むわけではありません。「資格を取得した未経験のワーカー」よりも「資格未所持の実績豊富なワーカー」のほうが、仕事を依頼される可能性が高いでしょう。
資格を取得することで知識やスキルが身に付きますが、その身に付いた知識・スキルを「仕事でどう活かすか」が仕事のクオリティを左右します。資格をして満足するのではなく、取得した資格を活かす方法を常に模索することが大切です。
【結論】スキル検定などの公式資格にさまざまな面で助けられました
交流も少ない自分にとって、現在地を知るチャンスや勉強の時間を提供してくれたプロクラウドワーカー制度やスキル検定には感謝しています。私のケースではありますが、金銭・時間ともに対費用効果は十分すぎるほどあったかなと。
少なくともクラウドワークス内で、他のワーカーとある程度の差別化が図れるきっかけとして効果的だった印象です。クラウドワークスには、これからもガシガシお世話になると思います。
最後に繰り返しにはなりますが、あくまで私の体験談であって、公式資格が必ずしも役に立つことを保証するものではありません。それでも、誰かの参考になれば幸いです。
スキル検定のうち、Webライター検定の合格を目指すなら、先述したクラウドワークス公式【みんなのカレッジ】 の活用も検討してみてください。
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