こんにちは。
今回の本の感想はこちら↓
「SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術」です!
「アウトプット大全」や「読んだら忘れない読書術」の2冊に続き、またも樺沢紫苑(かばさわしおん)氏著書の感想となります。
だって面白いんですもの……。
本書も、著者の他書籍と同じく、さまざまな科学的根拠の観点も交えながら、
「SNSやブログで書くテキストの書き方」や
「FacebookやTwitterでの情報発信や交流の仕方」
これらについて学ぶことができます。
同じ文章術の本でも、以前感想を書いた「新しい文章力の教室」の内容とは真逆といっていいかもしれません。
本書は「WEBライターとしての文章術」というより「人気ブロガーやSNS発信者」を目指すための情報が満載となっています。
Contents
ネット上でどんどん書いて「書く時代」に備えていこう
本書は、ライティングを超えたソーシャルメディアの教科書
「SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術」より引用
以下、引用は同書からです。
本書では、「共感」「交流」「伝わる」の3つが大きなテーマとなっています。
読者の共感を呼ぶ情報発信。
読者やSNS仲間との交流。
そして読者にわかりやすく情報を伝わる文章。
これらのことを中心に話が進められていきます。
自分というキャラクターをガンガン出す文章へ
最初はコンテンツ目的でアクセスしたり購読を始めたりしますが、やがて関心は「コンテンツから「書き手自身」「書き手の人間性」へとシフトしていきます。それが、人間心理です。
どこかで読んだことがあるような、同じような記事を、わざわざ自分の貴重な時間を費やして読みたいと思うでしょうか。
共感を得るためには、上記のようにしっかりと「自分のキャラクター」を出していくことが大切であり、
本書「SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術」では、どんどん自分自身を出していくことを推奨しています。
その推奨の根拠も、「心理学的根拠」に基づいた事実が権威として示されているのが、さすが樺沢紫苑氏の本といったところなんですよね。
この本を読むまで、私はネットの文章を書くときは、客観的な文章の方が読まれると思っていたのですが……
確かに言われてみれば、ただ事実だけ羅列した文章は役には立っても面白くはないなーと。
そんな当たり前のことを思い出させてくれた一冊となりました。
いやー、WEBライターとブロガーの両立って難しいですね……。
「自己開示ライティング」や「共時性ライティング」などの文章術
人の心理には、内面をしっかりとさらけ出してくれた人に好意が湧く「自己開示の法則」というものがあります。
その心理を利用し、SNSやブログで自分をしっかり出していくことで相手との心理的距離を縮めるのが「自己開示ライティング」です。
また、ソーシャルメディアは「『今』を伝える最強のツールであり、利用者は『今起こっている情報』を求めている」という特徴があります。
それを利用し、「現在進行系」の投稿をすることで読者からの多くの共感を得るのが「共時性ライティング」です。
このように本書では、心理学的根拠やインターネットの特徴をうまく織り交ぜながら、さまざまな文章の書き方について解説されています。
とにかく読む人の感情に働きかけ共感を呼ぶ、ある種セールスのような文章力。
コピーライティングにも似た技術が、ソーシャルネットワークでは大切になってくるのですね。
WEBライターと違い自分を抑えすぎない文章が大事
WEBライターとしての文章と、ブロガーやSNS発信者としての文章の違いは、やはり「個性の有無」です。
WEBライターが求められる文章は、コンテンツに記載されている情報や事実が最重要となり、ほとんどの場合ライター自身の個性は求められません。
それに対し、ブロガーやSNS発信者に求められる文章は、情報や事実に対するその人なりの意見であり、逆に個性が必要となるのです。
私の場合、WEBライターの仕事をしたあとにブログを書くと、ついついその「個性」の部分を疎かにしてしまいがちになってしまいます。
本の感想記事を一度書き上げた後も、感想じゃなくてただ事実を羅列している文章になっていることが多くて、
「ただでさえ未熟の記事なのに、個性さえ行方不明やんけ!」
みたいな状況になりがちです。
こればっかりはもっと記事を書いたり本を読んで勉強したりで、レベルを上げていくしかなさそうです。
交流ライティングは文章術と言うより交流術
交流のために、どこに何を書けばいいのか。読者と交流し、その関係性を深める「交流ライティング」について、具体的に説明していきましょう。
交流ライティングの項では、「文章の書き方」というよりも「SNSでの交流の仕方」の解説がメインの内容となっています。
たとえば「ポジティブな話題はみんなで共有し、ネガティブな話題はそっと本人に教えてあげましょう」であったり、
「自分からコメントや『いいね』を行っていくことで、親切には親切を返したくなる『返報性の法則』が発動し、さらに交流が深まっていきます」であったりなど、
SNS上でのいろいろな処世術が書かれています。
情報弱者な私はTwitterの使い方やSNSでのマナーも知らなかったので、非常に勉強になりました。
現時点ではTwitterは始められていないので、この本を読破した証拠として、2018年が終わるまでにTwitter活動を始められるよう頑張っていこうと思います。
しかしTwitterすらやったことないとか、よくWEBライターとかブログを始めようと思ったものだと今更ながら驚き中です。
伝わるライティングの項はライターやブロガーは必読の部分
「伝わるライティング」の項では、ネット上で文章を書くにあたり、どのようにすれば読者が読みやすくなるかが解説されています。
結論から先にを書く「サマリー・ライティング」や、なるべく簡潔な表現で冗長な文章を避ける「シンプル・ライティング」、
そして適切な改行を入れ、見た目や段落を意識する「パラブラフ・ライティング」など概念は、他の媒体での「WEB文章の書き方」でもよく解説されていますよね。
このように、他にも「です・ます」調の解説や句点の打ち方、ひらがなや感じのバランスについてなども載せられているので、
WEB文章の基本をまだ知らないという方でも、安心して読むことができます。
もう知っているよという方でも、改めて読めばなにか新しい発見や見落としが見つかるかもしれませんし、
同じ項にある「エモーショナル・ライティング」や「ストーリー・ライティング」の部分は、初心者を脱した物書きにこそ、得られるもの多いと思いますよ。
ネタ切れ防止はとにかくインプットとメモ
本書での「ブログやTwitterで書くネタがない」という問に対する回答は、
「ただ単に情報のインプット、つまり情報収集の努力が足りないんじゃないか?」の一言です。
ネタが足りないんだったら、「自分が少しでも興味ある分野」やまわりで流行っていることなどを徹底的に調べ上げろということですね。
・ネタ帳やTwitterにひらめきをどんどん書き込む
・テレビや遊びの間も常に情報のインプットに精を出す
・ブログ記事の更新のお知らせを受け取るようにする
・ゼロから記事を作るのではなく「1+1=2」の記事を目指す
このように、情報をインプットできる環境構築や、具体的な工夫の方法がこの項で学べます。
インプットについては、同じ著者の本である「読んだら忘れない読書術」を読むことが個人的にはおすすめです。
多くの情報を得ることは、この次の項である「スピード・ライティング」にもつながってくる部分でもあるので、
情報発信者としてはいちばん大事な項であると言えますね。
「スピード・ライティング」やソーシャルメディアでのマナーについても
上記の項の他にも、「スピード・ライティング」の項と、「ソーシャルメディアでの10個のマナー」の項があります。
このあたりは、ネットでもいろいろと情報があるので、特に目新しい情報はないかなーと言う印象でした。
文章を早く書くための「スピード・ライティング」とは、要約すれば
「情報を集めながら文章を書くと時間がかかるので、資料を集めきってから文章を書き始めること」
「手直ししながら文章を書くより、全体を一気に書いてから加筆、修正などを行ったほうが早く文章が仕上がる」
ということです。
マナーの部分も、「悪口や個人情報を書かない」や「人の写真を勝手に掲載しない」、「売り込みをしない」、「法律違反や利用規約に違反しない」など、
インターネット利用の基本部分が載せられています。
これまでほとんどインターネットやSNSを活用してこなかった、私のような方がおられるのであれば、一度目を通した方が良いでしょう。
まとめ
これは「ライティング術」というよりも、「コミュニケーション術」ではないのか、と。
はい、その通りです。本書を「書くための教科書」、そして「コミュニケーションの教科書」としていただきたいと思います。
「正直この本一冊あれば、『ネット上で文章を書くための基礎知識』はほとんどいらないんじゃないか」
そう思わせるくらい完成度の高い本だと思います。
文章の書き方だけでなく、他のSNS利用者との交流方法やそのメリットなど、ソーシャルメディア利用のあれこれをしっかりと学ぶことができます。
ブログやSNSでの文章を書こうと思っている方への最初の本として、ブロガー初心者である私が自信を持っておすすめできる一冊です。