クラウドワークスの直接契約(直接取引)違反は「わかり辛いよね」というお話

クラウドソーシングから直接契約・直接取引への移行は規約違反ですが…… Webライター日記

クラウドワークスを利用していると、「今後の継続案件は、サイトを通さず直接契約(直接取引)しませんか?」とメッセージが来ることがたまーにあります。

言うまでもなく規約違反です。クラウドワークス上で交わされた契約は、必ずクラウドワークス上で履行する必要があります。

でも中には直接契約を打診し、LINEやChatWorkに抱き込んで仕事しようとするクライアントが少なくないのも事実。

ただ経験上、「本当に知らないだけで悪気がなかったパターン」もなきしにもあらずなので、怪しむ前クライアントに確認してみてはいかがでしょうか。

そんな感じで今回は、クラウドワークス(一応ランサーズも)などの「大手クラウドソーシング会社の直接契約」うんぬんについて、私の2年間の体験談も交えながらつらつら書いていきます。

Contents

前提としての直接契約禁止

クラウドワークスの上でのマッチングにも関わらず、サイトを通さない契約を結ぶことはクラウドワークス利用規約の第5条16項で禁じられています。

15. 会員間での連絡は、原則として本サービス内において行うものとします。但し、弊社が事前に承諾した場合はこれに限りません。
16. 会員又は過去5年以内に会員であった者は、会員又は過去5年以内に会員であった者と、本サービスを利用せずに、直接に本サービスを通じて委託可能な内容に関する業務委託契約を締結すること及びその勧誘をすることを行ってはならないものとします。但し、弊社が事前に承諾した場合はこの限りではありません。

引用:クラウドワークス|利用規約

簡単に言えば、「クラウドワークス使ったもの同士は、5年間経たないと直の業務委託契約できませんよ」という規約です。規約違反は通知なしのサービス利用停止、登録解除、アクセス拒否など処置が取られます。

で、さらに上記した5条16項の違反に関しては、システム利用料相当額と100万円のどっちか大きい金額をクラウドワークスに支払わなければなりません。

5. 利用者は、利用者が第5条第16項又は第12条第6項に違反した場合、違約金として、当該取引の報酬額に対するシステム 利用料相当額か金100万円のいずれか大きい方の金額(当該取引の報酬額に対するシステム利用料相当額の算定が不可能な場合は、金100万円)を弊社に支払うものとします。

引用:クラウドワークス|利用規約

なかなかに厳しい処分です。

まあでも、これがまかり通るとクラウドワークスなどのクラウドソーシング側の売上がなくなってしまうので当然っちゃ当然です。

実際に、クラウドワークスからは「手数料分がないと運営するのが厳しくなるからやめてほしい」と声明を出しています。

直接契約は一切を禁止しております。
直接契約が行われるとサイトの運営が困難になりますので、契約はクラウドワークス上で行うようお願いいたします。

(引用:【共通】直接取引(契約)の禁止について【クラウドワークス】

ただ「利用手数料2割はでかい……」と思ってしまうのも、ライターやエンジニアの本音なはず。

(クラウドワークスは、獲得報酬の2割がサイト利用料として徴収される)

そしてクライアントの中には、そんなフリーランス心理をついて「直接契約なら手数料かかりませんよ」とクラウドワークスを介さない契約を持ちかける者が存在します。

多くは仮払いがめんどくさかったり、支払いを踏み倒したかったりする人なので、今後付き合うクライアントとしてはちょっと微妙かなと。(実際に体験した)

たまーに他ブログやTwitter上でも「クラウドワークス(ランサーズ)の取引から直接契約になりました!嬉しい!」と報告していますが、あれは駄目です。ヒヤヒヤもんです。

せめてバレないところで身内だけで話せと思います。いや、違反行為なのでやること自体がアカンのですけどね。

◆ChatWorkとかの外部連絡や契約前連絡は

基本はクラウドワークスのメッセージ機能でやり取りしなければなりません。

ただし、契約が交わされた後であれば、外部メッセージツールでの連絡が可能です。(連絡先のやり取りは双方の同意)

クラウドワークスでも「契約を締結していただき、クライアント(発注者)が仮払いを完了していただいた後であれば、必要に応じて電話、スカイプ、打ち合わせなど、直接ご連絡をとっていただくことは、問題ありません。」とはっきりと明示しています。

なので、え、契約したらチャットワークに誘導されたんだけど……怖」とならなくて大丈夫です。

私も大半のクライアントさんは、クラウドワークスでの契約後にチャットワークやoutlookメールでのやり取りしてますので。

しかし、それはあくまで「契約した後」のお話。完全初見にも関わらず、いきなり契約前にLINEやChatWork、Slackなどのツールや電話の使用は禁止されています。

つまり契約や仮払いを行う前に、クラウドワークス以外のメッセージのやり取りはダメとだよということです。

ただし事前に事務局に許可を取っている場合はオーケーだそう。もし直接連絡を持ちかけられたら、「確認していますか?」と聞いてみるといいと思います。

◆【補足】ランサーズの利用規約も一応どうぞ

ランサーズとクラウドワークスの併用する人も多いと思うので、以下でランサーズの利用規約もご紹介しておきます。

基本的にクラウドワークスと同じ内容です。ランサーズ利用規約第42条「違約金及び損害賠償等」より。

会員が第33条第1項第12号に違反し、本サービスを介さずに直接取引(直接取引を誘引した場合、又は直接取引の誘因に応じた場合を含む)をした場合には、会員は前項に定める損害賠償金とは別に、違約金として、当該行為がなければ支払われていたと推定される第11条で定める弊社手数料の2倍に相当する金額(その額が100万円に満たない場合は100万円)を支払うものとします。

引用:利用規約|クラウドソーシング「ランサーズ」

第11条で定める弊社手数料とは、プロジェクト・コンペ・タスクを含むすべての利用手数料(いわゆる2割)です。違反すると手数料の2倍取られます。

もしどうしても直接取引したい場合は、ランサーズが決めているルールにしたがって契約してくださいとのこと。(直接雇用・業務委託・顧問契約などを問わず)



【体験談】直接契約の持ちかけ=悪…ではなく本当に知らなかったケース

実はクラウドソーシングの直接取引・直接契約の違反を知らないクライアントがいる可能性

直接契約を持ちかけてくるクライアントが悪質なケースは多々あります。でも、中には「本当に知りませんでした。申し訳ございません」と、本当に把握していなかったパターンも体験しました。

やり取りや対応も素晴らしい企業様です。ちょろまかそうとかそんな気は微塵も感じません。(心の中を読めるわけでもないんですが…)

きちんとその旨を説明すると、これまた大変丁寧な返信と理解を得られました。

規約の読みづらさや登録の手軽さから、ついつい見逃してクライアント(フリーランスやライター側も)も確かにいます。なので、「直接契約を持ちかける=絶対悪」と決めつけてしまうのも、少し早計かもしれません。

まあ、「直接契約禁止ですよ」と指摘した後、そのまま連絡が途絶えたクライアントもありますケド…。

じゃあ何を持って信頼性を判断するのか。

私の場合は以下を確認し「わざとやっていないか」を秤にかけます。私の体験談から主観で行っている対策を以下でご紹介しますね。

前提として、確認不届きはお互いダメなんすけどね。でも人間だもの。訂正できるときは訂正しましょう。(絶対数的には少ないかも…)
Webライターによるクライアントとのやり取り

クライアントとのやり取りはトコトンやったほうがいい【Webライター】

◆依頼クライアントの評価や掲載元が明確かどうか

一番に見るのは「クライアントの知名度と信頼性」です。

Webページやコンテンツを持つ企業さんであれば、そのページをくまなくチェックします。規模やサイト設計、販売コンテンツ等を見ながら、信用すべきか判断していますね。もしくは会社名をGoogle検索して探します。

もしWebページがない、掲載先ページが不明瞭のときに覗くのは、クラウドワークス上のクライアントの評価です。

ただこのとき5点満点の数値だけでなく、「誰が評価しているか」「評価メッセージの内容はどうか」まで確認します。数値は所詮数値なので、血の通った情報を得るのが大切かなと。

少し言い方悪いんですけど、ライターを始めたばかりの人と中堅・ベテランライターさんの意見のどちらの方が信頼できるか、という話ですね。

どこを見ているか
  • 評価している人はベテランライターか初心者ライターか(正しく評価しているか)
  • 詳細な評価メッセージがないか(具体的に良い部分、逆にダメな部分が書いてあるメッセージを読む)
  • 過去にどんな案件の仕事を募集しているか(単価や作業内容)

個人的によく見るのはこのあたり。

たとえ好条件での依頼があったとしても、過去の依頼がはっきりしない、低単価で募集しているなどが見られるとちょっと契約考えますね…。

逆に過去の実績がまったくなくても、やり取りや募集文の誠実さ、掲載元の明示がしっかりしていたクライアントとの取引は問題なくできました。

条件もよく、2020年10月現在もクラウドワークス・ランサーズにて継続案件いただいています。

◆メッセージのやり取りや募集要項からから

少し抽象的なのですが、メッセージのレスポンスが遅かったり、文面がライターを舐めている感じだったりする場合、あまり良い取引にならない可能性があります。

あと、依頼文が「ライター様のプロフィールを見て……」と、名前の部分をぼかしてるやつ。多分、無差別に送ってます。

有料なのによくやる……。

明確な根拠はないのですが、自分自身の経験と多くの他ライター様の意見です。ぶっちゃけ、自分の直感を信じろっちゅー話

具体的なところをいえば、メールや仕事の募集要項に以下の情報が記載していれば、ビジネスマナー的にはまだ信頼できるかなと個人的に思います。

信頼できそうな情報
  • 企業名とWebページのURL
  • 記事の公開先(オウンドメディア)のURL
  • 詳細な連絡先
  • 営業時間などの情報

しかし逆に大企業になると、フリーランスを舐めて雑な対応が目立つこともあるとか。

こういう情報は、クラウドワークスやランサーズの上位ライターのTwitterをフォローして、つぶやきの内容で判断したほうがいいかもです。

もちろん、ライターさんのブログもチェックしましょう。このブログよりレベルの高い内容が書いてあります←

当ブログは、おっさんライターの等身大な日々を綴る無益ブログでございます。

まとめ

会社外で取引である限り、なにが良くて何が悪いかは自分で判断しなければなりません。

もしかしたら多少グレーな案件でも、自分の収入や実績を秤にかけて、思い悩む日々も正直あると思います。私は聖人君主ではないので、世の中の成功者がすべて、健全クリーン経営で成功しているとも思っていませんし…。

まあ私は知らずに違反すること、トラブルに巻き込まれるのことが怖いので、基本はクラウドソーシング経由や知人の紹介の仕事しか受けられないチキンです。

ただ、法律や倫理に反する仕事だけは、絶対に避けるようにすべきでしょう。

では、今回はこのへんで。

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