食品工場と食品メーカーの違いとは?仕事内容・求人の見方を元食品工場勤務者が解説

食品工場と食品メーカーの違いとは?仕事内容・求人の見方を元食品工場勤務者が解説
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Webライターあひる高卒・元食品工場勤務Webライター|冷凍機械責任者1種・簿記2級・FP2級取得者
高卒・元食品工場勤務(アイスクリームなど)歴10年のWebライター。ライター歴は8年以上。冷凍機械責任者1種、FP2級(ファイナンシャルプランナー2級)、証券外務員一種、日商簿記検定2級、ITパスポート、フォークリフト、アーク溶接なども保有。クラウドワークスではTOPプロクラウドワーカーの経験あり
現在は主に不動産・金融・税金・相続系など、不動産やお金にまつわる記事を中心に執筆。
10年以上の食品工場の勤務・転職やリーダー経験、人脈を活かした「工場勤務のホントのところ」もブログで解説中。

食品工場と食品メーカーは似た言葉ですが、意味は同じではありません。

食品メーカーは、食品を企画・開発・製造・販売する会社全体を指します。一方、食品工場は、食品メーカーなどの商品を実際に製造・加工・包装する現場です。

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食品メーカーと食品工場は横並びで比較するものというより、食品メーカーの仕事の中に食品工場での製造が含まれるケースがある、と考えるとわかりやすいです。

ただし、食品メーカーが必ず自社工場を持っているとは限りません。外部の食品工場に製造を委託するケースもあります。

この記事では、食品工場と食品メーカーの違い、食品メーカーの主な仕事内容、食品メーカー求人を見るときの確認ポイントを元食品工場勤務者の視点から解説します。

この記事のまとめ
  • 食品メーカーは「食品を扱う会社全体」、食品工場は「食品を実際に作る現場」
  • 食品メーカーの仕事には、営業・商品企画・研究開発・品質管理・生産管理・製造などがある
  • 食品メーカーが自社工場を持つ場合もあれば、外部の食品工場に製造を委託する場合もある
  • 製造職・生産管理・品質管理などは、食品工場や生産現場と関わりやすい
  • 求人を見るときは「食品メーカー」という言葉だけでなく、職種名・勤務地・仕事内容を確認する

Contents

食品工場と食品メーカーの違いは「会社全体」と「製造現場」の違い

食品工場と食品メーカーの違いを簡単にいうと、食品メーカーは食品を扱う会社全体食品工場は食品を実際に作る現場です。

食品メーカーは、食品の企画・開発・製造・販売などを行う会社そのものを指します。一方、食品工場は、食品メーカーなどの商品を実際に製造・加工・包装する施設や現場を指します。

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つまり、食品メーカーと食品工場は横並びで比較するものというより、食品メーカーの仕事の中に食品工場での製造が含まれるケースがある、と考えるとわかりやすいです。

両者の意味や位置づけの違いを、以下の表で簡単にまとめました。

項目食品メーカー食品工場
意味食品を企画・開発・製造・販売する会社全体食品を実際に製造・加工・包装する現場
位置づけ会社・事業全体製造部門・生産現場
主な仕事営業、商品開発、研究開発、品質管理、生産管理、製造など仕込み、加工、包装、検品、機械操作、清掃・洗浄など
求人で見るポイント職種や勤務地によって仕事内容が大きく変わる製造現場での作業や管理業務が中心になりやすい

食品メーカーは食品を企画・開発・製造・販売する会社全体

食品メーカーは、食品を企画・開発・製造・販売する会社全体を指します。

作る食品によって細かく分ければ、お菓子メーカー、飲料メーカー、冷凍食品メーカー、調味料メーカー、パンメーカー、乳製品メーカーなど、さまざまな種類の会社が存在します。

有名食品メーカー名主な分野代表的な主力製品・ブランド例
明治乳製品、菓子、栄養食品など明治おいしい牛乳、明治ブルガリアヨーグルト、明治ミルクチョコレート、きのこの山、たけのこの里など
日清食品即席麺、カップ麺などカップヌードル、チキンラーメン、日清焼そばU.F.O.、どん兵衛など
味の素調味料、冷凍食品、加工食品など味の素、ほんだし、Cook Do、味の素冷凍食品など
キッコーマンしょうゆ、調味料、食品などキッコーマンしょうゆ、いつでも新鮮シリーズ、うちのごはん、デルモンテ商品など
日本ハムハム、ソーセージ、食肉加工品などシャウエッセン、中華名菜、石窯工房、ハム・ベーコン商品など
カルビースナック菓子、シリアルなどポテトチップス、じゃがりこ、かっぱえびせん、フルグラ、Jagabeeなど
山崎製パンパン、和洋菓子、調理パンなどロイヤルブレッド、ダブルソフト、ランチパック、薄皮シリーズなど
森永製菓菓子、食品、冷菓などハイチュウ、チョコボール、森永ミルクキャラメル、inゼリーなど

そして「食品メーカーの仕事」と一口に言っても、食品を製造することだけではありません。たとえば、食品メーカーには次のような仕事があります。

  • 新商品や既存商品の企画・開発
  • 味や品質、製造方法の検討
  • 原料や資材の調達
  • 工場での生産管理や品質管理
  • スーパーやコンビニ、飲食店などへの営業
  • 人事、経理、総務、情報システムなどの管理部門

そのため、「食品メーカー=本社で商品企画をする仕事」とも、「食品メーカー=工場で製造する仕事」とも言い切れなかったりします。

求人を見るときも、食品メーカーという会社の分類だけでなく、実際に募集されている職種まで確認する必要があるでしょう。

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次でも触れますが、食品工場は「食品メーカーの商品を作る場所」であり、ある意味で食品メーカーの一部とも言えるのです(正確には違うところもありますが)。

食品工場は食品メーカーなどが食品を実際に作る現場

食品工場は、食品を実際に製造・加工・包装する現場です。私が長年勤めていたのも、食品工場の現場でした。

食品メーカーで企画・開発された商品も、工場で安定して作れなければ店頭には並びません。食品工場では、原料を受け入れ、決められた手順で加工し、包装や検品を行い、商品を出荷できる状態にします。

食品工場の主な仕事を、以下で簡単にまとめました。

  • 原料の受け入れや計量
  • 仕込みや加工
  • 製品の包装や梱包
  • 異物や不良品がないかを確認する検品
  • 製造機械や包装機の操作
  • 作業場や機械の清掃・洗浄
  • 品質管理や衛生管理に関する記録

私が働いていた食品工場でも、商品を作る人、機械を見る人、検品する人、洗浄する人、品質を確認する人がそれぞれ関わっていました。食品工場は単に「流れてくる商品を扱う場所」ではなく、食品を安定して作るための製造拠点です。

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いくら優れた商品を開発したとしても、安定して供給できる体制がなければブランド確立や売上にはなかなかつながらないです。そういった意味でも、食品工場は重要な立ち位置であると言えます。

すべての食品メーカーが食品工場を持っているわけではないというのは本当か

ここまでの説明を聞くと、すべての食品メーカーは自社の食品工場を持って製造していると思われるかもしれません。しかし、実際には「別会社の食品工場に製造を委託する」というケースも存在します

食品メーカーの中に食品工場が含まれるケースもある

食品メーカーが自社で工場を持っている場合、食品工場は食品メーカーの製造部門として位置づけられます。

たとえば、食品メーカーの中に本社、営業所、研究所、工場があり、そのうち工場が商品を実際に作る役割を担っているイメージです。

食品メーカーの中にある主な部門は、次のように分けられます。

部門・拠点主な役割
本社経営管理、商品企画、営業戦略、管理部門などを担う
営業所小売店、卸、飲食店などへの営業活動を行う
研究所・開発部門新商品や既存商品の改良、試作、品質の検討を行う
食品工場食品を実際に製造・加工・包装する
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私が所属していた食品工場は、グループ会社として食品製造を担う企業という位置づけでした。「食品工場→本社や開発」「本社や開発→食品工場」といった異動もありました。

すべての食品工場が食品メーカーの自社工場とは限らない

食品工場は、実を言うと必ずしも食品メーカーの自社工場とは限りません。

食品メーカーが自社工場で商品を作るケースもありますが、別会社の食品工場に製造を委託するケースもあります。いわゆる受託製造やOEMと呼ばれる形です。

食品メーカーと食品工場の関係には、次のようなパターンがあります。

形態内容
自社工場食品メーカーが自社で工場を持ち、自社商品を製造する
グループ会社の工場食品メーカーの関連会社やグループ会社が製造を担当する
受託製造・OEM工場別会社の商品を依頼に応じて製造する

OEM工場がかかわる場合、商品の企画や販売は食品メーカーが行い、実際の製造は別の食品工場が担当することがあります。

独立行政法人中小企業基盤整備機構J-Net21のOEM事例として、「フレッグ食品工業株式会社」が紹介されています。

この場合、商品ブランドを持つ会社と、商品を作る工場が別会社になることもあります。「大部分は自社工場、自社の生産能力だけ足りない部分はOEM工場へ委託」といったケースも珍しくありません。

実際に中小規模の食品工場の中には、大手食品メーカーや小売企業などから製造を受託し、相手先ブランドの商品を作っている会社もあります。

農林水産省「食品製造業をめぐる情勢」を見ても、「食品製造業は、中小企業及び零細企業が97.4%」と調査結果が出ています。また、矢野経済研究所の「菓子受託製造(OEM)市場に関する調査」では菓子受託製造市場の拡大が示されています。

これらは、中小規模の食品工場やOEM工場が一定数存在することを考えるうえで参考になるでしょう

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私が半年パートで働いていた食品工場はこのOEM工場で、自社ブランドを有していませんでした。

食品メーカーの主な仕事内容と必要スキル

食品メーカーといっても、営業、商品企画、研究開発、品質管理、生産管理、製造、購買、管理部門など、職種によって仕事内容や働く場所は大きく変わります。

以下では、主な仕事内容と食品工場との関係についてまとめました。

職種主な仕事内容食品工場との関係
営業スーパー、小売店、卸、外食企業などに商品を提案する工場で作られた商品を取引先へ広げる
商品企画・マーケティング売れる商品や販売戦略を考える製造できる商品かを開発部門や工場側と確認することがある
研究開発・商品開発新商品や既存商品の改良、試作、味や品質の検討を行う量産段階で工場や生産部門と関わる
品質管理・品質保証商品の安全性や品質、表示、製造工程などを確認する工場内の検査や衛生管理と関わりやすい
生産管理・製造管理生産計画、工程、人員、原料、納期などを管理する工場の生産を安定させる役割がある
製造・製造オペレーター食品の製造、機械操作、ライン作業、包装、検品などを行う食品工場勤務になりやすい
購買・調達原料、包装資材、備品などを仕入れる工場で使う原料や資材の供給に関わる
管理部門・情報システム経理、人事、総務、法務、社内システムなどを担当する会社全体を支える仕事で、工場勤務とは限らない

以下では、食品メーカーの主な仕事内容とそれぞれの必要スキルについて簡単に解説します。

営業:スーパーや小売店などに商品を提案する

食品メーカーの営業は、自社商品をスーパー、小売店、卸、外食企業などに提案する仕事です。

食品は工場で作っただけでは消費者に届きません。営業が取引先に商品を提案し、売り場やメニューに採用してもらうことで、商品が消費者の手に届きます。

営業では、以下のような仕事を行います。

  • 小売店や卸会社への商品提案
  • 新商品の案内
  • 売り場づくりや販促提案
  • 取引先との商談
  • 販売状況や市場動向の確認
  • 問い合わせやクレームへの対応

工場で直接商品を作る仕事ではありませんが、商品の特徴、販売状況、納期、品質面の確認などで、工場や生産管理部門と関わる場面もあります。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
提案力取引先に新商品や売り場づくりを提案するとき
交渉力価格、納期、販売条件などを取引先と調整するとき
コミュニケーション力取引先、社内の生産管理・品質管理部門とやり取りするとき
商品知識商品の特徴、原材料、価格、売り方を説明するとき
数値を見る力販売実績、市場動向、売り場での反応を確認するとき

商品企画・マーケティング:売れる商品や販売戦略を考える

商品企画・マーケティングは、どのような商品を作るか、どのように売るかを考える仕事です。

消費者の好み、売れている商品の傾向、季節性、価格帯、競合商品などを見ながら、新商品の方向性や販売戦略を検討します。

主な仕事は以下です。

  • 市場や消費者ニーズの調査
  • 新商品のコンセプトづくり
  • 商品の価格や販売方法の検討
  • パッケージや販促内容の検討
  • 既存商品の改善案の作成
  • 販売データや反応の分析

企画した商品が、必ずしもそのまま工場で作れるとは限りません。原料の調達、製造ラインでの作りやすさ、賞味期限、品質、コストなども関わるため、開発部門や工場側との調整も必要になります。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
市場を見る力消費者ニーズや競合商品の動きを確認するとき
分析力販売データやアンケート結果から改善点を考えるとき
企画力新商品のコンセプトや販売方法を考えるとき
発想力既存商品とは違う切り口や新しい食べ方を考えるとき
調整力開発部門や工場側と、製造可能性やコストを確認するとき

研究開発・商品開発:新商品や既存商品の改良を行う

研究開発・商品開発は、新しい食品を作ったり、既存商品を改良したりする仕事です。

味、食感、香り、見た目、保存性、原材料、製造方法などを確認しながら、商品として販売できる状態を目指します。

具体的には、以下のような業務があります。

  • 新商品の試作
  • 既存商品の改良
  • 味や食感、品質の検討
  • 原材料や配合の検討
  • 保存性や製造条件の確認
  • 工場で量産できるかの確認

試作室や研究所で良い商品ができても、工場で安定して作れなければ商品化は難しくなります。そのため、量産段階では製造部門、生産管理、品質管理と連携する場面もあります。

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研究開発の方とは、新製品のライン立ち上げや製造方法の打ち合わせなどがあるので、食品工場ととくに密接な関わりがあると思います。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
食品知識原材料、配合、保存性、加工方法を検討するとき
試作・検証力味、食感、見た目、品質を確認しながら試作品を改良するとき
理系知識食品成分、微生物、加工条件などを考えるとき
発想力新しい商品案や既存商品の改良案を考えるとき
量産を考える力試作品を工場で安定して作れるか確認するとき

品質管理・品質保証:安全性や品質を守る

品質管理・品質保証は、食品の安全性や品質を守る仕事です。

食品は人の口に入るものなので、味や見た目だけでなく、異物混入、微生物、表示、規格、衛生状態などにも注意しなければなりません。

品質管理・品質保証では、以下のような業務を担当します。

  • 原料や製品の検査
  • 製造工程の確認
  • 衛生管理の確認
  • 記録書類のチェック
  • 製品規格の確認
  • 表示内容の確認
  • クレームや不良品への対応

品質管理は、工場内の検査や衛生管理に関わることが多い職種です。一方、品質保証は、表示、取引先対応、社内基準の整備など、会社全体の品質を支える役割を担うこともあります。

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元食品工場勤めとしては、製品の品質や微生物チェックのイメージが強いですね。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
食品衛生の知識製造現場の衛生状態や異物混入対策を確認するとき
HACCPへの理解製造工程の衛生管理や重要管理点を確認するとき
検査スキル原料、製品、微生物、異物などを検査するとき
記録管理力製造記録、検査記録、衛生記録を確認・保管するとき
表示・法令への理解食品表示、アレルゲン、賞味期限、取引先提出書類を確認するとき

生産管理・製造管理:工場の生産計画や進み具合を管理する

生産管理・製造管理は、工場で商品を計画どおりに作るための仕事です。

食品工場では、商品を作る順番、必要な原料、作業人数、製造量、出荷予定などを調整しながら生産を進めます。生産管理・製造管理は、工場全体や職場単位での流れを支える役割です。

担当する業務には、以下のようなものがあります。

  • 生産計画の作成
  • 原料や資材の確認
  • 製造スケジュールの調整
  • 作業人員の確認
  • 製造工程の進み具合の確認
  • 出荷や納期に向けた調整
  • 生産効率やロスの改善

予定どおりに商品を作るだけでなく、原料不足、機械トラブル、人員不足などが起きたときの調整も必要になります。また、現場に近い立場で、作業の進み具合、人員配置、品質、設備の状況などを見ることもあります。

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職場単位の細かい部分や実務的な部分については、現場の人間がそのまま臨機応変に対応するケースも多いですけどね。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
生産計画の理解製造量、日程、出荷予定を調整するとき
現場管理力作業人員、工程の進み具合、設備状況を確認するとき
在庫管理力原料、資材、製品在庫を見ながら生産に支障が出ないようにするとき
調整力原料不足、機械トラブル、人員不足が起きたとき
改善力生産効率、ロス、作業手順、品質トラブルを見直すとき

製造・製造オペレーター:工場で商品を実際に作る

製造職や製造オペレーターは、食品工場で商品を実際に作る仕事です。

食品メーカーの求人で「製造」「製造スタッフ」「製造オペレーター」と書かれている場合、大体のケースで食品工場勤務と思っておいたほうがよいでしょう。

主な仕事は以下です。

  • 原料の投入
  • 仕込みや加工
  • 製造機械の操作
  • ライン作業
  • 包装や検品
  • 機械の簡単な点検
  • 作業場や機械の清掃・洗浄

製造オペレーターは、手作業だけでなく、製造機械を動かしたり、ラインの状態を確認したりすることもあります。食品工場の現場に直接関わる仕事なので、食品メーカーの中でも「工場勤務」と結びつきやすい職種です。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
正確さ原料投入、検品、記録作成などでミスを防ぎたいとき
集中力ライン作業、機械操作、異常確認を続けるとき
体力立ち仕事、原料の取り扱い、清掃・洗浄を行うとき
衛生ルールを守る力手洗い、服装、持ち込み禁止、清掃ルールを守るとき
機械操作への理解製造機械や包装機を操作し、異常に気づく必要があるとき
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購買・調達:原料や資材を手配する

購買・調達は、食品を作るために必要な原料や資材を手配する仕事です。

食品メーカーでは、原料がなければ商品を作れません。また、包装資材、段ボール、ラベル、製造に使う備品なども必要です。

購買・調達では、品質、価格、納期、安定供給などを見ながら、必要なものを仕入れます。

主な業務は以下です。

  • 原料や資材の発注
  • 仕入れ先との価格交渉
  • 納期の調整
  • 在庫状況の確認
  • 新しい仕入れ先の検討
  • 原料の品質や規格の確認

工場で直接商品を作る仕事ではありませんが、原料や資材の手配が遅れると生産計画にも影響します。そのため、工場や生産管理部門と関わることが多い職種です。

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大卒で入ってきた後輩の方が購買に異動になったのですが、製造現場から原料メーカーまで色々なところとの調整が必要なので、異動後も忙しそうにしていたのを覚えています。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
調達経験原料や資材を安定して仕入れるとき
交渉力価格、納期、仕入れ条件を取引先と調整するとき
納期調整力工場の生産計画に間に合うように原料や資材を手配するとき
在庫管理力原料・資材の不足や過剰在庫を防ぐとき
PCスキル発注管理、在庫管理、資料作成、データ入力を行うとき

管理部門・情報システム:会社全体の運営を支える

管理部門や情報システムは、食品メーカーの会社運営を支える仕事です。

食品を作る現場や商品を売る部門が動くためには、人事、経理、総務、法務、情報システムなどの仕事も欠かせません。

主な業務は以下です。

  • 人事や採用、労務管理
  • 経理や財務
  • 総務や備品管理
  • 契約や法務対応
  • 社内システムの管理
  • 情報セキュリティ対応
  • 業務改善やデータ管理

管理部門や情報システムは、本社勤務になるケースも多く、食品工場で直接商品を作る仕事ではありません。ただし、工場の勤怠管理、原価管理、在庫管理、システム導入などを通じて、食品工場と関わる場合もあります。

必要になるスキルは、主に次の通りです。

スキル名必要になる主な場面
専門知識経理、人事、法務、総務などの担当業務を行うとき
事務処理力書類作成、データ入力、社内手続きを正確に進めるとき
正確さ経理処理、契約確認、労務管理、システム設定を行うとき
IT知識社内システム、情報セキュリティ、業務改善に関わるとき
ベンダー対応力外部システム会社やサービス提供会社とやり取りするとき

このように、食品メーカーは、ひとつの職種だけで成り立っているわけではありません。商品を企画し、作り、品質を守り、販売し、会社として運営するために、複数の職種とスキルが関わっています。

食品メーカー求人を見るときは職種・勤務地・仕事内容を確認する

食品メーカーの求人を見るときは、会社名や業界名だけで仕事内容を判断しないことが大切です。

同じ食品メーカーでも、営業、商品企画、研究開発、品質管理、生産管理、製造など、職種によって働く場所や仕事内容は大きく変わります。

「食品メーカー勤務」と書かれていても、職種や勤務地によっては食品工場に配属されるケースがあります。求人を見るときは、以下の点を確認しておきましょう。

確認項目見るポイント
職種名製造、生産管理、品質管理、営業、商品開発など、何の仕事で募集されているか
勤務地本社、営業所、研究所、工場、事業所のどこで働くのか
仕事内容ライン作業、検品、包装、機械操作、商談、企画、試作など、具体的な業務内容
勤務時間日勤のみか、早番・遅番・夜勤・交代勤務があるか
配属先応募時点で配属先が決まっているか、入社後に決まるか
雇用形態正社員、契約社員、派遣、パート、アルバイトのどれか

食品メーカー勤務でも工場配属になるケースがある

食品メーカーに就職・転職しても、必ず本社や営業所で働くとは限りません。

食品メーカーは、商品を企画・開発・販売する会社全体を指すため、その中には食品工場での製造や、生産管理、品質管理に関わる仕事も含まれます。

たとえば、以下のような職種は食品工場や生産現場に近い仕事かもしれません。

  • 製造職
  • 製造オペレーター
  • 生産管理
  • 製造管理
  • 品質管理
  • 設備保全

一方で、営業、商品企画、マーケティング、管理部門などは、本社や営業所で働くケースもあります。

つまり、食品メーカーという会社の分類だけでなく、「どの職種で採用されるのか」「どこに配属されるのか」を見ることが重要です。

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私が勤めていた工場の場合、最初は総合職採用でも「現場で経験を積め」との方針で数年間は工場勤務の大卒・大学院卒の方々が大勢おられました。最終的には本社や研究に進みましたが、一部希望者はそのまま工場に残っていましたね。

職種名に「製造」「生産」「品質」が入っているか確認する

求人の職種名に「製造」「生産」「品質」などの言葉が入っている場合は、食品工場や生産現場と関わる仕事になりやすいです。

具体的には、以下のような職種名があります。

  • 製造スタッフ
  • 製造オペレーター
  • 生産管理
  • 製造管理
  • 品質管理
  • 品質保証
  • 設備保全

ただし、職種名だけで働く場所が完全に決まるわけではありません。品質保証のように本社寄りの部署で働く場合もありますし、生産管理でも本社から複数工場を管理する場合があります。

そのため、職種名はあくまで最初の判断材料として見ておきましょう。

勤務地が本社・営業所・研究所・工場のどこかを見る

求人を見るときは、勤務地も必ず確認したいポイントです。

食品メーカーの求人でも、勤務地が本社なのか、営業所なのか、研究所なのか、工場なのかによって、働き方は大きく変わります。

勤務地働き方のイメージ
本社商品企画、管理部門、経営企画、品質保証、情報システムなどが中心になりやすい
営業所取引先への営業、商談、売り場提案などが中心になりやすい
研究所・開発拠点研究開発、商品開発、試作、検証などが中心になりやすい
工場・事業所製造、品質管理、生産管理、設備保全、検査などが中心になりやすい

食品メーカーという名前だけを見ると本社勤務をイメージするかもしれません。しかし、勤務地が工場や事業所になっている場合は、現場に近い働き方になることもあります。

仕事内容にライン作業・検品・包装・機械操作があるか確認する

仕事内容の欄に、ライン作業、検品、包装、機械操作などが書かれている場合は、食品工場での現場作業に近い求人と考えられます。

確認したい言葉は以下です。

  • ライン作業
  • 製造ライン
  • 原料投入
  • 仕込み
  • 加工
  • 包装
  • 梱包
  • 検品
  • 機械操作
  • 清掃・洗浄

これらの言葉が多い場合、実際の仕事は食品を作る工程に近くなるかもしれません。

反対に、商談、企画、販促、試作、分析、事務処理、システム管理などが中心であれば、本社・営業所・研究所寄りの仕事である可能性があります。

勤務時間や夜勤・交代勤務の有無を確認する

食品メーカーの求人では、勤務時間も確認しておきましょう。

本社勤務や営業職では日勤中心の求人もありますが、食品工場での製造職、生産管理、品質管理などでは、早番・遅番・夜勤・交代勤務がある場合もあります。

確認したいポイントは以下です。

  • 日勤のみか
  • 早番・遅番があるか
  • 夜勤があるか
  • 交代勤務があるか
  • 土日休みかシフト制か
  • 繁忙期に残業や休日出勤があるか

特に食品工場は、商品や生産量によって勤務時間が変わることがあります。

「食品メーカーの正社員」と聞くと安定した働き方をイメージしやすいですが、工場配属の場合は勤務時間やシフトの確認が欠かせません。ここを見落とすと、入社後に「思っていた働き方と違った」と感じることがあります。

食品工場の夜勤はきつい?しんどい理由や眠気対策を経験者が解説

総合職採用や未経験歓迎の求人は配属先と作業内容を確認する

総合職採用や未経験歓迎の求人では、配属先や作業内容を特に確認しておきましょう。

総合職採用の場合、入社後に工場、生産管理、品質管理、営業などへ配属されるケースがあります。求人票に「配属先は適性を見て決定」「将来的な転勤あり」「入社後に各部門を経験」などの記載がある場合は、本社勤務だけを想定しないほうがよいでしょう。

また、未経験歓迎の求人は応募しやすい一方で、実際の仕事内容に幅があります。

同じ未経験歓迎でも、確認すべきポイントは以下のように変わります。

求人の表現確認したいポイント
未経験歓迎の製造職ライン作業、検品、包装、機械操作など、どの作業を担当するのか
未経験歓迎の営業職既存営業か新規営業か、取引先は小売店・卸・外食企業のどれか
未経験歓迎の品質管理検査補助なのか、記録管理や衛生管理まで担当するのか
総合職採用初期配属、将来の異動、工場勤務や転勤の可能性があるか

食品メーカーの求人では、会社名や業界イメージだけで仕事内容を判断しないことが大切です。職種名、勤務地、仕事内容、勤務時間を見れば、食品工場で働く可能性があるかどうかを判断しやすくなります。

食品メーカーと食品工場の違いについてよくある質問

食品メーカーに就職すると必ず食品工場で働くのでしょうか?

食品メーカーに就職しても、必ず食品工場で働くわけではありません。

食品メーカーには、営業、商品企画、研究開発、品質管理、生産管理、製造、購買、管理部門など、さまざまな職種があります。そのため、本社、営業所、研究所、工場など、働く場所は職種や配属先によって変わります。

ただし、製造職、製造オペレーター、生産管理、品質管理、設備保全などで採用された場合は、食品工場や生産現場で働く可能性があります。

食品メーカーの品質管理は工場勤務になるのでしょうか?

食品メーカーの品質管理は、工場勤務になるケースがあります。

品質管理は、原料や製品の検査、製造工程の確認、衛生管理、記録書類のチェックなど、食品工場の現場と関わる仕事が多いためです。

ただし、会社によっては、本社の品質保証部門として、食品表示、取引先対応、社内基準の整備、監査対応などを担当する場合もあります。求人を見るときは、勤務地と仕事内容を確認しておくとよいでしょう。

食品メーカーの製造職と食品工場勤務は同じ意味ですか?

食品メーカーの製造職は、食品工場勤務に近い意味で使われることが多いです。

製造職は、食品の仕込み、加工、包装、検品、機械操作など、工場内で商品を作る仕事に関わることが多いためです。

ただし、担当する工程や役割は会社によって異なります。単純なライン作業だけでなく、機械操作、記録管理、簡単な点検、清掃・洗浄などを担当する場合もあります。

食品メーカーの求人で工場勤務かどうかを見分ける方法はありますか?

食品メーカーの求人で工場勤務かどうかを見分けるには、職種名、勤務地、仕事内容、勤務時間を確認することが大切です。

とくに、以下のような記載がある場合は、食品工場や生産現場に近い求人の可能性があります。

  • 職種名に「製造」「製造オペレーター」「生産管理」「品質管理」「設備保全」などが入っている
  • 勤務地が工場、事業所、生産拠点になっている
  • 仕事内容にライン作業、検品、包装、原料投入、機械操作、清掃・洗浄などがある
  • 勤務時間に早番、遅番、夜勤、交代勤務などがある

食品メーカーという会社名だけでは、実際の働き方までは判断できません。応募前に、職種と勤務地、仕事内容を確認しておきましょう。

食品メーカーと食品工場の違いを理解して求人内容を確認しよう

食品メーカーは、食品を企画・開発・製造・販売する会社全体を指します。一方、食品工場は、食品メーカーなどの商品を実際に製造・加工・包装する現場です。

食品メーカーが自社工場を持つ場合もあれば、グループ会社や外部のOEM工場に製造を委託する場合もあります。そのため、食品メーカーと食品工場は横並びで比較するものではなく、食品メーカーの仕事の中に食品工場での製造が含まれるケースがあると考えるとわかりやすいです。

また、食品メーカーの求人でも、職種によって働く場所や仕事内容は大きく変わります。製造、生産管理、品質管理などは工場勤務になりやすく、営業や商品企画、管理部門などは本社や営業所で働くケースもあります。

求人を見るときは、食品メーカーという会社名だけで判断せず、職種名、勤務地、仕事内容、勤務時間を確認しましょう。